都羅山駅

都羅山駅について

都羅山駅（トラサンえき）は、韓国京畿道の坡州市に位置する非常に特異な鉄道駅です。韓国철도公社（KORAIL）と北朝鮮鉄道省の共同管理下にありますが、実質的には大韓民国の土地にあります。この駅は、韓国における北朝鮮への鉄道アクセスの一助となっていますが、軍事境界線に近いことから、駅の利用には厳しい制約があります。

駅の位置と運行仕組み

都羅山駅は、京義線の一部であり、臨津江方面には韓国の鉄道が、板門方面には北朝鮮の交通網が続いています。訪問者は事前に臨津江駅にて入境手続きを行う必要がありますが、この時、復路の乗車券を事前に購入しなければならず、乗車券売り場では記念入場券しか手に入れることができません。厳密なセキュリティが施されており、臨津江駅では復路の乗車券が確認されます。

歴史的な背景

この駅が初めて営業を開始したのは2002年4月11日で、その年の2月には大韓民国の金大中大統領がアメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領と共に訪問しました。その後の数年間、駅では南北鉄道の連結のテストや、さまざまな国際的な列車サービスが導入されました。しかし、2019年にアフリカ豚熱の影響で全ての列車運行が中止され、2024年からは月に1度の運行が再開される見込みです。

駅の構造

都羅山駅は地上に位置し、2面4線の島式ホームと1面1線の単式ホームを具えていますが、現在は単式の1面1線しか利用されていません。駅舎内には将来的な南北連結を見越した「南北出入境管理事務所」が設置されており、外部からの訪問者は施設を見学することが可能です。このため、北向きの客はここで検査を受ける必要がありますが、定期列車の運行がないため、現状は使用されていません。

駅周辺の施設と利用状況

駅周辺には南北出入境の管理業務を行う事務所や気象観測所、展望台が存在しています。都羅山駅は観光目的で訪れる人々にとっての興味深い場所であり、軍事境界線に接しているため、写真撮影に関しては厳しい規制が設けられています。また、一般市民の利用はほとんどなく、列車の運行は非常に限られています。DMZツアーが運行されていない日には、実質的に列車は運行されません。

将来の展望

今後、駅は南北鉄道連結や国際列車の運行のハブとして機能する可能性がありますが、北朝鮮が南北交流に関する方針を変更することで運命が変わるかもしれません。駅では、南北統一の願いを込めた案内板が多言語で設置されており、将来の国際化に向けた期待が寄せられています。しかし、政治状況によっては、駅が廃止される可能性もあるため、注意が必要です。

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