臨津江駅

臨津江駅（イムジンガンえき）

臨津江駅は、韓国の京畿道坡州市文山邑に位置し、韓国鉄道公社（KORAIL）の京義線に属する駅です。駅番号はK336であり、京義・中央線の電車がここに乗り入れています。この駅は、京義線再連結事業の一環として、文山駅から臨津江駅までの区間が開通したと同時に営業を開始しました。

概要

現在、臨津江駅を利用する列車は、首都圏の京義・中央線の文山－臨津江間の区間便に限られています。そのため、ソウルや龍山方面への移動の際は、文山駅での乗り換えが必須です。また、京義線の当駅から都羅山駅までの区間は民間人の出入管制区域となっており、そのため都羅山駅に向かう際には、一度臨津江駅で降車し、入境手続きや保安検査を受ける必要があります。

駅の周辺には臨津閣があり、隣にある都羅山駅と共に、朝鮮半島分断の実情を体感できる場所でもあります。

駅の歴史

臨津江駅は2001年9月30日に、京義線の復旧事業に伴い、文山駅から延伸されて終着駅として開業されました。その後、2002年2月12日に都羅山駅まで延伸されたため、現在は途中駅となっています。2004年にはダイヤ改正が行われ、列車の本数が倍増し、夜間の運行も開始されました。

2014年には通勤列車の運行が終了し、同年5月には観光列車「平和列車」が運行を開始しました。10月31日には普通駅から配置簡易駅へ格下げされましたが、2019年10月2日に平和列車の運行が停止し、休止状態に入りました。その後、2020年3月28日に京義・中央線の通勤電車が文山駅－臨津江駅間で営業を再開し、2021年12月11日には通勤電車の区間が都羅山駅まで延伸されました。

駅の構造

臨津江駅は地上駅であり、単式ホームが1面1線の構造となっています。ホームは中央で分かれており、ソウル側は京義・中央線電車が停車する高床ホームで、ここにはホームドアが設置されています。都羅山側の低床ホームに列車は現在は使用されていません。また、側線が1線存在します。

かつては、ソウル方面発着専用のホームと、入境手続き後に利用する渡航用ホームが分かれた構造になっていました。駅名標には、ソウルや平壌の駅名と、それぞれの距離が示されています。同様の駅名標は都羅山駅にも設置されています。

都羅山駅への乗車方法

2024年現在、都羅山へ向かうシャトルの利用方法は以下の通りです。ソウル方面から到着する全ての列車は、京義・中央線電車の停車する高床ホームに到着し、そこで乗客は一旦降車します。憲兵が車両内の確認を行った後、全員が駅構内から出たことが確認されると、都羅山方面に隔離されたホームで手続きを完了した乗客が乗車します。

都羅山へ向かうには、事前にDMZツアーに参加予約をし、集合時間までに臨津江駅に到着する必要があります。予約確認の際、出入申請書を作成し、本人確認のために身分証（外国人はパスポート）を身につけなければなりません。この際、出入証を受け取ります。

入場の際は、憲兵の案内に従い、乗車券はツアー料に含まれているため別途購入の必要はありません。乗車時にできる保安検査を経て、厳重な監視下で都羅山方面への専用ホームに入場します。

利用状況と周辺施設

臨津江駅の周辺は、住宅が少なく、生活利用者は多くないものの、臨津閣などを訪れる観光客や隣接する都羅山駅の利用者が大半を占めています。臨津江駅から徒歩約10分の位置には臨津閣があり、ここは観光地として整備されています。また、臨津江に架かる京義線の鉄橋は「自由の橋」として知られています。これらの場所は、分断の歴史を感じる貴重なスポットとなっています。

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