都通 (名古屋市)

都通（みやことおり）

都通は、かつて愛知県名古屋市千種区に存在した地名です。その短い歴史の中で、名古屋市の区政や地域社会の変化を反映した変遷を辿りました。

歴史

沿革

都通は、1935年（昭和10年）11月5日に東区千種町の一部が分離し、新たに東区都通として成立したのが始まりです。この時、名古屋市は昭和初期の都市計画に基づいて区画整理を進めており、都通の成立もその一環と考えられます。

1937年（昭和12年）10月1日には、区の編入が行われ、都通は千種区に編入されました。これにより、正式に千種区都通という地名になったのです。

1966年（昭和41年）1月10日には、名古屋市老人福祉会館内に「高齢者無料職業紹介相談所」が設置されました。これは、都通を含む地域における高齢者福祉の向上を目指した取り組みであり、当時の社会的なニーズを反映したものでした。この相談所は、高齢者の就労支援を通じて、地域社会への参加を促進する役割を担っていました。

しかし、都通という地名の歴史は長くは続きませんでした。1980年（昭和55年）11月23日、千種区内の内山一丁目・内山二丁目・内山三丁目・今池四丁目・神田町・豊年町にそれぞれ編入される形で、都通は消滅しました。これは、名古屋市の区画整理や住居表示の変更に伴うものであり、都市構造の変化を示す出来事でした。

町名の変遷

都通は、その成立から消滅までの約45年間、名古屋市の区政や地域社会の変化に翻弄されながらも、その名を歴史に刻みました。短い期間ではありましたが、都通という地名は、そこに住む人々にとっては大切な故郷の記憶として残っていることでしょう。

参考文献

名古屋市会事務局 編『名古屋市会史 別巻第7 総合名古屋市年表（昭和編5）』名古屋市会事務局、1983年2月28日。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年3月8日。ISBN 4-04-001230-5。
名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年3月31日。

関連項目

名古屋市の地名

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