都道府県国家地方警察

都道府県国家地方警察とは

都道府県国家地方警察は、旧警察法（昭和22年法律第196号）に基づき、各都道府県知事の所轄下に置かれた国家地方警察の組織です。現在の都道府県警察とは異なり、国の機関として扱われ、経費は国庫から支出されていました。

概要

旧警察法では、各都道府県に都道府県国家地方警察本部が設置されました。北海道では、支庁（実際には5支庁のみ）ごとに本部が設けられました。都道府県国家地方警察は、都道府県公安委員会の運営管理（実務的な警察活動の管理）と、国の警察管区本部の行政管理（人事や予算の管理）を受けていました。

都道府県公安委員会

都道府県国家地方警察の運営管理のため、都道府県知事の管轄下に都道府県公安委員会が設置されました。公安委員会は3人の委員で構成され、警察職員、検察職員、旧陸海軍軍人または職業的公務員の前歴のない者の中から、都道府県議会の同意を得て知事が任命しました。委員のうち2人以上は同一政党に所属してはならないと規定されており、委員の互選により委員長が選出されました。

組織

都道府県国家地方警察の組織は、警察管区本部に準じるとされ、以下の4部が置かれていました。

1. 総務部：組織全体の運営や管理を担当しました。
2. 警務部：警察職員の人事や教育、福利厚生などを担当しました。
3. 刑事部：刑事事件の捜査や犯罪の取り締まりを担当しました。
4. 警備部：警備や災害対策などを担当しました。

また、自治体警察が管轄しない地域をカバーするため、複数の警察区に分け、各警察区に地区警察署が設置されました。さらに、都道府県国家地方警察と自治体警察との連絡、および国家地方警察の通信施設の維持管理のため、支所を設けることができました。

職員

都道府県国家地方警察の職員は、一般職の国家公務員（地方事務官）でした。組織の最高責任者は都道府県警察隊長であり、国家公務員法の規定に基づき、警察管区本部長が国家地方警察本部長官の同意を得て任命・免職を行いました。

関連項目

旧警察法
地方事務官

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