鄧飛

鄧飛（とうひ）：『水滸伝』の豪傑

鄧飛は、中国古典小説『水滸伝』に登場する登場人物の一人で、四大奇書の一つとして名高い本作の中で特に印象的なキャラクターの一人として位置づけられています。彼は梁山泊における第49位の好漢であり、地闔星の生まれ変わりとされ、渾名は「火眼狻猊」と呼ばれています。この名は、赤い目を持つ伝説上の動物「狻猊」に由来しており、彼の目が赤いのは人肉を食べていたためとも言われています。彼はまた、優れた鉄鎖の名手でもあります。

生い立ちと初期の活動

鄧飛は蓋天軍の襄陽府出身であり、元々は錦豹子・楊林らと共に盗賊団を組織していました。しかし、彼の運命は大きく変わります。飲馬川で玉幡竿・孟康と共に活動を始めることで、彼はさらに名を馳せていきます。だが、彼は無実の罪で沙門島に流刑されることになり、護送中に鉄面孔目・裴宣を連れ去り、彼を首領として迎えることになります。鄧飛はその結果、第二位の頭領として活動を始めます。

梁山泊への合流

梁山泊では、故郷の薊州に帰った公孫勝を迎えに戴宗が派遣される途中で、楊林と知り合いになります。その縁から戴宗は飲馬川の三頭領と意気投合し、最終的に三人は梁山泊に加わることになります。鄧飛はこの仲間たちと共に梁山泊の活動を支える重要なメンバーへと成長していきます。

戦いの数々

その後、鄧飛は梁山泊と祝家荘との合戦に参加し、先鋒として出陣します。敵を追い詰めようと深追いした挙句、秦明を救うために出撃した際、祝家荘の軍に捉えられるというハプニングにも遭遇します。しかし、同じく梁山泊と内通していた孫立らとの再会により、祝家荘はついに陥落することとなります。これ以降、鄧飛は高唐州、曽頭市、北京、東昌府などの数々の外征に参加し、馬軍の将として数多くの戦功を挙げていきます。百八星が集結した際には、馬軍の小彪将兼斥候頭領の第16位としてその地位を確立します。

最後の戦い

その後、大遼征伐などの数々の戦いでも活躍を見せる鄧飛でしたが、彼の運命は方臘征伐の杭州攻めにおいて試練を迎えます。ここで彼は敵将石宝に対抗しようと試みますが、逆にその手によって斬られ、命を落とすこととなりました。彼の壮絶な生涯は、まさに『水滸伝』の中での勇者の象徴とも言える存在です。

関連項目

• - 狻猊：伝説上の動物で、鄧飛の渾名の由来。

鄧飛の物語は、それぞれの戦いを通じて彼の強さ、友情、そして運命の無常さを示しており、一つの英雄譚として今なお人々に語り継がれています。

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