鄭勲 (軍人)

鄭勲（チョン・フン）

鄭勲（チョン・フン、日本名：蒲勲）は、大日本帝国陸軍の軍人であり、朝鮮における戦時下の言論統制と兵力動員に深く関与した人物です。彼の経歴と親日活動を詳細に見ていきましょう。

生涯

1893年5月19日、鄭勲はソウルで生まれました。大韓帝国武官学校在学中に学校が廃止されたため、国費留学生として日本に留学し、陸軍中央幼年学校に入学。陸軍士官学校に進学し、1915年に卒業後は歩兵少尉に任官されました。

1925年には勲六等瑞宝章を受章し、その後も昇進を重ねました。1933年には陸軍少佐に昇進し、咸鏡北道會寧に駐屯する部隊に異動しています。

日中戦争勃発後の1937年、朝鮮軍司令部参謀部に組織された新聞班で活動を開始。この新聞班は、世論調査や新聞・雑誌の指導、映画・放送の指導など、言論統制を担う部署でした。1938年には報道班に改編され、鄭勲は中心人物として活動しました。

親日活動

鄭勲は、陸軍特別志願兵制度が公布されると、「忠良な臣民」として国防の任務を担うことを祝う談話を発表。その後も、新聞や雑誌への寄稿を通じて、朝鮮人に日本への忠誠を誓い、志願兵として戦争に貢献することを強く訴えました。

彼は「内鮮一体」を強調し、朝鮮人が日本軍人になることこそがその具現であると主張しました。また、講演会にも積極的に参加し、皇軍の職務について語り、朝鮮人の戦意高揚に努めました。

各種親日団体にも関与し、木曜会では指導的な役割を果たしました。1939年には、咸鏡北道を巡回しながら講演会や座談会を開催し、志願兵制度を宣伝しました。また、朝鮮文人協会の評議員を務めるなど、文化面からも皇民化政策に協力しました。

徴兵制が実施されると、座談会に参加し、その意義と半島の責務を強調。朝鮮軍司令部報道部長として、引き続き言論を通じた戦意高揚に尽力しました。

戦後

終戦後は日本に渡り、妻のいる福知山に住んでいましたが、その後の消息は不明です。2008年には、民族問題研究所と親日人名辞典編纂委員会によって、親日人名辞典の収録対象者に決定されました。2009年には、親日反民族行為真相糾明委員会によって、親日反民族行為者として認定されています。

鄭勲は、日本の植民地支配下において、朝鮮人の戦意高揚と皇民化政策に積極的に協力した人物として、その名は歴史に刻まれています。

参考文献

姜徳相『朝鮮人学徒出陣 もう一つのわだつみのこえ』岩波書店、1997年。ISBN 4-00-001381-5
친일인명사전편찬위원회 編 (2009). 친일인명사전 3. 친일문제연구총서 인명편. 민족문제연구소. ISBN 978-89-93741-05-6
* 친일반민족행위진상규명위원회 編 (2009). 친일반민족행위진상규명 보고서 Ⅳ-16 친일반민족행위 결정. 친일반민족행위진상규명위원회

もう一度検索