鄭夢奎

鄭夢奎（チョン・モンギュ）

鄭夢奎（チョン・モンギュ、정 몽규、1962年1月14日 - ）は、韓国を代表する実業家であり、現代財閥の創業者である鄭周永（チョン・ジュヨン）の甥にあたります。彼は、HDC現代産業開発の会長としての顔を持つ一方で、スポーツ界、特にサッカー界における貢献でも広く知られています。

経歴

鄭夢奎氏の父は、鄭周永の弟である鄭世永（チョン・セヨン）です。鄭世永は、1967年の現代自動車設立時に兄から社長に任命され、その後会長、名誉会長を歴任しました。鄭夢奎氏は、高麗大学を卒業後、イギリスのオクスフォード大学で修士号を取得。帰国後、現代自動車に入社し、1996年には父の後を継いで会長に就任しました。しかし、1997年のアジア通貨危機の影響で現代グループの経営が悪化。後継者争いに巻き込まれた結果、1999年3月に鄭周永の介入により、経営権を鄭夢九（チョン・モング）に譲り、現代自動車を去りました。その後、現代グループの住宅建設・土木部門を担う現代産業開発の会長に就任し、1999年8月には現代グループから独立。現代産業開発はその後、順調に成長を続け、2018年にはHDC現代産業開発（HYUNDAI DEVELOPMENT COMPANY）と社名を変更しました。2019年にはアシアナ航空の買収を試みましたが、翌年白紙撤回しています。鄭夢九の子である鄭義宣（チョン・ウィソン）との関係は良好であると伝えられています。

スポーツ界での活動

鄭夢奎氏は、サッカーへの深い愛情を持ち、1994年から1996年まで蔚山現代ホランイ（現：蔚山現代FC）、1997年から1999年まで全北現代ダイノス（現：全北現代モータース）のオーナーを務めました。現代グループから離脱後の2000年には、釜山大宇ロイヤルズ（現：釜山アイパーク）を買収し、オーナーとなりました。2011年には韓国プロサッカー連盟の会長に、2013年には大韓サッカー協会の会長に就任。国際舞台でもFIFA理事、東アジアサッカー連盟会長などの要職を歴任しました。2017年には、韓国、北朝鮮、中国、日本による「2030ワールドカップ共同開催」プロジェクトを提唱。2025年2月26日に行われた大韓サッカー協会会長選挙では、85%の得票率で4選を果たしました。会長選挙では、2035年FIFA女子ワールドカップの開催を公約に掲げています。

その他の活動

2022年1月11日、光州広域市で発生したマンション外壁崩落事故を受け、施工を担当したHDC現代産業開発は、前年にも近隣で死傷者を出す崩落事故を起こしていたこともあり、批判を浴びました。同年1月17日、鄭夢奎氏は責任を取る形でHDC現代産業開発の会長職を辞任しました。

鄭夢奎氏は、実業界だけでなく、スポーツ界においても大きな足跡を残しており、韓国社会に多大な影響を与え続けています。

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