酒井忠行

酒井忠行

酒井忠行（さかい ただゆき）は、慶長4年（1599年）に生まれ、江戸時代前期に活躍した大名です。雅楽頭系酒井家の8代目として、上野国板鼻藩主を経て、厩橋藩の第3代藩主を務めました。

生涯

忠行は、酒井忠世の嫡男として江戸に生まれました。父である忠世が将軍・徳川秀忠に仕えていた関係から、忠行もまた徳川家に仕えることとなります。慶長19年（1614年）10月の大坂冬の陣で初陣を飾り、翌慶長20年（1615年）1月には従五位下阿波守に任じられました。同年4月の大坂夏の陣でも武功を挙げ、その武勇を示しました。

元和9年（1623年）には西の丸奏者となり、寛永2年（1625年）には上野国板鼻に2万石の所領を与えられました。寛永3年（1627年）には、将軍職を譲った大御所・秀忠と家光父子の上洛に従い、二条城に後水尾天皇を迎えるという重要な接待役を務めました。寛永8年（1631年）には、秀忠の名代として日光東照宮へ参詣しています。

寛永9年（1632年）に秀忠が亡くなると、忠行は本丸奏者に任じられ、将軍・家光に仕えました。秀忠の西の丸屋敷は忠世に与えられ、忠世が江戸城土橋口屋敷から西の丸屋敷へ移ると、忠行は大橋外屋敷から土橋口へ入りました。翌寛永10年（1633年）には、家光の御代始めに伴い1万石の加増を受けています。寛永11年（1634年）7月には、家光の上洛中に西の丸が失火し全焼するという事態が発生。西の丸番を務めていた父・忠世とともに、忠行も謹慎することとなりました。

西の丸の失火により忠世は筆頭年寄を退きましたが、忠行は奏者へ復職しています。寛永13年（1636年）3月、忠世の死去により家督と厩橋藩の遺領を相続し、所領の合計は部屋住領と併せて15万2500石となりました。その後、藩政を安定させるために奉行職を設けるなど尽力しましたが、自身も病に臥せ、同年11月17日に37歳という若さで死去しました。胃病を患っていたと伝えられています。家督は長男の忠清が継ぎました。

酒井忠行は、若くして亡くなったものの、徳川家への忠誠を尽くし、数々の重要な役割を果たした人物として、その名が残されています。

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