酒井忠顕

酒井忠顕（さかい ただてる）は、江戸時代末期の大名で、播磨姫路藩の第7代藩主を務めました。雅楽頭系酒井家の20代目当主にあたります。

生涯

忠顕は、三河田原藩主・三宅康直の長男として生まれました。父・康直は、第4代姫路藩主・酒井忠実の六男であり、忠顕は忠実の孫にあたります。また、第6代藩主・酒井忠宝の従弟でもありました。

嘉永6年（1853年）、忠顕は忠宝の養女・文子（第5代藩主・酒井忠学の六女で、忠宝の正室・喜曽姫の妹）と結婚し、忠宝の養嗣子となりました。同年、18歳で家督を相続し、姫路藩主となります。

しかし、万延元年（1860年）に25歳の若さで死去し、藩主の座を養子の忠績に譲りました。なお、忠顕の未亡人である文子は、明治維新後の一時期、酒井家宗家の当主を務めました。

経歴

1836年（天保7年）：出生
1853年（嘉永6年）：酒井家を相続（10月25日）
1860年（万延元年）：死去、享年25

官歴

1853年（嘉永6年）：従四位下・侍従、雅楽頭に叙任
1860年（万延元年）：左近衛少将に任官

関連項目

速鳥丸

忠顕は若くして亡くなったため、藩主としての業績は多くありませんが、激動の幕末期に姫路藩を率いた人物として、その名は歴史に刻まれています。彼の早すぎる死は、姫路藩にとって大きな損失であったと言えるでしょう。

特に注目すべきは、未亡人・文子の存在です。明治維新後の一時期、彼女が酒井家宗家の当主を務めたことは、当時の社会において異例な出来事であり、彼女の強い意志とリーダーシップを示すものと言えるでしょう。忠顕の死後も、酒井家を守り続けた文子の功績は、特筆に値します。

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