酒井忠実

酒井忠実（さかい ただみつ）は、江戸時代後期の大名であり、播磨国姫路藩の第4代藩主を務めました。雅楽頭系酒井家の17代目当主にあたります。

生涯

第2代藩主・酒井忠以の次男として生まれました。文化11年（1814年）に兄・忠道の隠居後、家督を相続し、20年以上にわたり藩政を担いました。天保6年（1835年）に57歳で隠居し、家督は先代忠道の八男である忠学（忠実の甥）に譲りました。隠居後は鷺山と号しました。

文化人としての側面も持ち合わせており、叔父である酒井抱一との交流が非常に深かったことで知られています。抱一の句集『軽挙館句藻』には、「玉助」という名で度々登場し、抱一の部屋住み時代の堂号である「春来窓」を継承しました。また、抱一が忠実の養嗣子就任の際に贈った号「松柏堂」を名乗っています。正室である隆姫も、抱一から「濤花」という俳号を贈られています。

隆姫は、戦国時代の播磨姫路城主・黒田孝高や酒井重忠の血筋を引いています。

経歴

安永8年（1779年）：誕生
寛政9年（1797年）：従五位下河内守
文化11年（1814年）：酒井家相続（9月30日）、従四位下雅楽頭
文政4年（1821年）：侍従
文政11年（1828年）：左近衛少将
天保6年（1835年）：隠居（4月27日）
嘉永元年（1848年）：死去、享年70

系譜

父：酒井忠以（1756-1790）
母：嘉代姫 - 松平頼恭の娘
養父：酒井忠道（1777-1837）
正室：隆姫 - 西尾忠移の娘
長女：采 - 松平信豪正室
次男：松平忠固（1812-1859） - 松平忠学の養子
三男：西尾忠受（1821-1861） - 西尾忠固の養子
側室：於満寿
六男：三宅康直（1811-1893） - 三宅康明の養子
生母不明の子女
女子：東 - 森忠敬正室
五男：酒井忠讜
女子：酒井忠嗣正室
女子：桃 - 松平斉宣正室
女子：九条尚忠室
養子
男子：酒井忠学（1809-1844） - 酒井忠道の八男
女子：万代 - 内藤頼寧継室、西尾忠善の娘

参考文献

根岸鎮衛『耳嚢』全3冊　長谷川強校注、岩波書店〈岩波文庫〉、1991年。
* 江戸時代の随筆であり、忠実に関する逸話が収録されています。

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