酒井智史:セガを代表するゲームクリエイターの軌跡と転落
酒井智史氏は、
1971年愛知県生まれの
グラフィックデザイナー、
ゲームクリエイター、
プロデューサーです。株式会社
セガに所属し、長年にわたり数々の有名
ゲームの開発に携わってきました。その功績は、日本の
ゲーム業界において特筆すべきものと言えるでしょう。
多摩美術大学グラフィックデザイン学科在学中から、模型製作会社ウェーブに在籍し、怪獣メタルキットの原型師として活動していました。この経験が、後の
ゲームデザインに大きく影響を与えたことは想像に難くありません。1994年、
セガ・エンタープライゼスに入社。以降、数々のプロジェクトの中核を担っていくことになります。
初期は『ワールドアドバンスド大戦略 〜鋼鉄の戦風〜』や『
AZEL -パンツァードラグーン RPG-』、『
ソニックアドベンチャー』など、様々なタイトルのデザインに携わりました。特に『
ソニックアドベンチャー』では
ソニックチームの一員として活躍しました。
しかし、彼の名を世界に知らしめたのは、何と言っても『
ファンタシースターオンライン』(PSO)シリーズへの貢献でしょう。2000年からサービス開始されたPSOではメインデザイナーとして、その後のシリーズ作品でも重要な役割を担いました。
『
ファンタシースターユニバース』(PSU)ではディレクターに、『
ファンタシースターポータブル』シリーズでは
プロデューサーを務め、2012年からサービス開始された『
ファンタシースターオンライン2』(PSO2)でも
プロデューサーとして尽力しました。PSO2の大型アップデート「ニュージェネシス」以降はブランドディレクターとして、シリーズ全体のブランドイメージを牽引していました。
ファンとの交流と活動自粛
酒井氏は、以前は自身が
プロデューサーを務めるオンライン
ゲームのネット情報番組への出演や、
ファンタシースター感謝祭などのオフラインイベントにも積極的に参加し、ファンとの交流を大切にしていました。しかし、PSO2における度重なる不具合や、彼自身の不適切な発言などが原因で、2018年12月15日放送の「PSO2 STATION!」を最後にこれらの活動を自粛することになりました。
個性的な人物像と才能
酒井氏は、独特の人物像も注目を集めていました。
セガ入社面接では、自作のメカキングギドラを持参し、面接官である
名越稔洋氏と激しい議論を交わしたエピソードは有名です。その情熱と才能は、
セガ入社後も彼のクリエイティブな仕事ぶりを支えていました。現在も、PSO2に登場するモンスターのデザインや、アップデート情報のプロモーションビデオなどを制作しています。
プライベートでは既婚者ですが、2度の離婚を経験していることを公表しています。また、CEDEC2018での発言を巡り、大きな騒動に発展したことも記憶に新しいところです。
謝罪と沈黙
CEDEC2018での発言に関する謝罪、そして、PSO2における不具合や不適切な発言に対する謝罪など、数々の問題に対し、彼は公式に謝罪を行いました。しかし、その後の彼の活動は公式ブログ更新を最後に公には見られなくなっています。
酒井智史氏の功績と教訓
酒井智史氏は、日本の
ゲーム業界に多大な貢献を果たしたクリエイターです。彼の才能と情熱は、多くの
ゲームファンに感動と興奮を与えました。しかし、彼の活動自粛は、クリエイターとしての責任、そして、ファンとのコミュニケーションの重要性を改めて考えさせる出来事となりました。彼の今後の動向に注目が集まる一方、この経験は、
ゲーム業界全体にとって貴重な教訓となるでしょう。
作品リスト
現在
ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス - ブランドディレクター
過去
ソニックアドベンチャー - フィールドアーティスト、エネミーデザイン
ワールドアドバンスド大戦略 〜鋼鉄の戦風〜 - タイトルデザイン、大日本帝国海軍3D艦船モデル
AZEL -パンツァードラグーン RPG- - ドラゴンデザイン
ファンタシースターユニバースシリーズ
ファンタシースターユニバース - ディレクター
ファンタシースターユニバース イルミナスの野望 - ディレクター
ファンタシースターポータブルシリーズ
ファンタシースターポータブル -
プロデューサー
ファンタシースターポータブル2 -
プロデューサー
ファンタシースターポータブル2 インフィニティ -
プロデューサー
ファンタシースターオンライン2 -
プロデューサー
メディア出演
グラールチャンネル5 presents「Fun!Fan!
ファンタシースターポータブル2」(2009年 - 2010年)
PSO2放送局(2012年 - 2016年、
ニコニコ生放送)
* PSO2 STATION!(2016年 - 2018年、
ニコニコ生放送)