酒井重忠

酒井重忠

酒井重忠（さかい しげただ）は、戦国時代から江戸時代前期にかけての武将であり、大名としても知られています。雅楽頭系酒井家の6代目として、武蔵川越藩の初代藩主、そして後に上野厩橋藩の初代藩主を務めました。

生涯

三河国坂井郷（現在の愛知県西部）の出身で、徳川氏の譜代家臣である酒井正親の次男として生まれました。若い頃から徳川家康に仕え、数々の戦で武功を挙げました。

永禄12年（1569年）：遠江掛川城攻めに参加
元亀元年（1570年）：姉川の戦いなど、家康初期の主要な合戦の多くに参戦

天正4年（1576年）に父・正親が亡くなると、家督を継いで三河西尾城主となりました。

天正10年（1582年）の本能寺の変で織田信長が死去した際、徳川家康一行は伊賀越えを決行しました。この時、重忠は本国の留守を任されていましたが、家康一行が伊勢国まで脱出したという知らせを受けると、白子で家康一行を船で出迎え、その安全を確保しました。この家康を救出した際に船に立てた船印を、後に重忠は馬印として使用したと伝えられています。

これらの功績により、天正18年（1590年）に家康が関東に移封されると、重忠は武蔵川越に1万石の所領を与えられました。文禄元年（1592年）からの文禄の役では江戸城の留守居役を務め、慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは本戦に参加し、戦後は近江国大津城の守備を担当しました。戦後、家康はその戦功を高く評価し、上野厩橋に3万3000石の所領を与えました。

慶長19年（1614年）からの大坂の陣では、再び江戸城の留守居役を務め、兵糧輸送の責任者としても活躍しました。

元和3年（1617年）7月21日、69歳で病没。重忠の血筋は、その後、親愛の代で途絶えました。

参考文献

『寛政重脩諸家譜 第1輯』國民圖書、1922年、314-315頁。doi:10.11501/1082717。

関連項目

三井山砦

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