酒巻輝男

酒巻輝男（さかまき てるお）について

酒巻輝男は日本のコメディアンであり、役者としても著名な存在です。本名は樫本鉄雄で、特に勝新太郎の形態模写が有名です。彼は「勝利太郎」という芸名でも知られ、台湾で製作された映画『盲剣・血滴子』において「座頭市のニセモノ」としても注目を浴びました。

来歴

酒巻のキャリアは、一般人として新宿で飲食店を営むところから始まりました。趣味のモノマネを「スターそっくりショー」というバラエティー番組で披露したことがきっかけで、小野栄一に見出されます。小野が主催する「小野プロ」に所属することで、彼は芸人としての第一歩を踏み出しました。

その後、酒巻はコメディアンとしての活動に加え、映画にも脇役で出演するようになり、その幅は広がっていきました。彼の才能は次第に映画評論家たちにも評価されていきます。

俳優としての転機

1969年、酒巻はピンク映画『好色坊主・四十八手斬り』で主演し、そこで披露した座頭市のパロディが注目を集めました。この作品が成功したことで、小野栄一が台湾でのプロダクションを拡大していくことになり、彼も台湾に渡ることになります。そして映画『盲剣・血滴子』（邦題：『盲（めくら）坊主 対 空飛ぶギロチン』）で勝利太郎としての役柄を演じることになります。

この時代、台湾や香港での座頭市の人気はとても高く、酒巻もその波に乗りました。彼が演じた勝利太郎は、後にシリーズ化されるほどの人気を誇り、台湾において役者としてのキャリアが築かれました。

近況

現在、酒巻は旅館「シーサイドホテル淡州」を経営する実業家でもあります。この旅館では、「座頭市ショー」が行われており、彼はその主役として舞台に立っています。しかし、旅館の名前は「ホテル・ザ・サンプラザ」に変更され、CMも放送されなくなりました。

1970年代から1980年代後半にかけて、近畿、関西、四国地方では彼の座頭市の姿を見かけることができた映像もあり、特にそのCMは人気を集めました。さらに、テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」でも取り上げられ、「座頭市に入れ込んでいる風変わりな名物経営者」として認知されていますが、コメディアンとしての活動や勝利太郎時代の話はあまり触れられませんでした。

テレビと映画作品

彼のテレビ出演としては「スターそっくりショー」が顕著です。また、旅館のCMや「探偵!ナイトスクープ」といった番組にも登場しました。映画作品も多く、酒巻輝男名義の作品には『喜劇・急行列車』（1967年）、『好色坊主・四十八手斬り』（1969年）、『谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座』（1971年）などが含まれています。

勝利太郎名義の作品には、『盲剣・血滴子』(1977年)や『盲侠鬥白狼』(1972年)などがあり、特に前者では「玉輝」という役で出演し、本家の座頭市と見た目が瓜二つでありながら、「日本帰りの中国人」という独自のキャラクター設定が施されています。

酒巻輝男は、コメディと演技の幅広い才能を持ちながら、現在も観客を楽しませる存在であり続けています。

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