醒井村

醒井村（さめがいむら）は、明治時代から昭和にかけて存在した滋賀県坂田郡の村です。現在の米原市の中央部、天野川の中流域に位置し、JR東海道本線の醒ケ井駅周辺が旧村域にあたります。

地理

醒井村は、霊仙山を背景に、天野川をはじめとする豊かな河川に恵まれた地域でした。主な河川として、天野川のほか、丹生川、宗谷川、黒田川などが村内を流れていました。これらの河川は、農業用水や生活用水として利用され、村の発展に大きく貢献しました。

歴史

醒井村は、1889年（明治22年）4月1日の町村制施行により、一色村、醒井村、枝折村、上丹生村、下丹生村、榑ヶ畑村が合併して誕生しました。村役場は醒井に置かれ、地域の行政を担いました。

1952年（昭和27年）6月13日には、醒井事件と呼ばれる事件が発生しました。これは、在日朝鮮人に対する差別事件であり、社会問題として大きく取り上げられました。

1956年（昭和31年）9月1日、醒井村は息郷村、米原町と合併し、新たに米原町が発足。これにより、醒井村は廃止されました。旧村域は、現在の米原市の一部となっています。

交通

醒井村には、日本国有鉄道（現JR）東海道本線の醒ケ井駅がありました。醒ケ井駅は、地域の交通の要として、人や物の流れを支えました。また、国道21号が村内を通過しており、自動車交通も比較的便利でした。現在では、旧村域を名神高速道路が通過していますが、当時は未開通でした。

娯楽

かつて、醒井村には「遊楽館」という映画館がありました。1950年代まで営業しており、地域の娯楽の中心として親しまれていました。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 25 滋賀県』角川書店、1979年

関連項目

滋賀県の廃止市町村一覧
* 醒井事件

醒井村は、短い歴史の中で、様々な出来事を経験しました。村は消滅しましたが、その名は醒ケ井駅や醒井養鱒場などに残されており、地域の歴史を今に伝えています。

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