醤の郷

香川県小豆島「醤の郷」：歴史と文化が香る醤油蔵の街

香川県小豆島町にある「醤の郷」は、馬木地区と苗羽地区を中心に広がる、近代以前の醤油蔵建築が密集するエリアです。その歴史は古く、文禄年間（1592～1596年）にまで遡り、豊臣秀吉に献上された醤油も造られていたと言われています。明治時代には約400軒もの醤油屋が軒を連ね、醤油産業が島の経済を支える一大産業として栄えました。終戦後の食糧難の時代には、醤油を使った佃煮が貴重な食料として島民を支えました。

現在では、醤油蔵の多くが国の登録有形文化財に指定されており、その歴史的価値の高さが認められています。1996年には、マルキン醤油記念館（旧醤油醸造工場）と発酵蔵が登録有形文化財に登録され、その後も多くの醤油蔵や関連施設が登録されています。2009年には近代化産業遺産群にも認定され、日本の近代化産業の歴史を語る上で重要な場所として位置づけられています。

歴史的建造物と醤油蔵群

醤の郷には、多くの歴史的建造物が現存しています。その中には、創業から長い歴史を持つ醤油蔵が数多く含まれており、それぞれが独自の建築様式や醸造技術を物語っています。代表的な醤油蔵としては、以下のものがあります。

正金醤油: 創業1920年。醤油蔵と諸味蔵（旧山吉醤油諸味蔵）が当時の醤油造りの様子を伝えています。
ヤマサン醤油: 創業1846年。三階建ての醤油醸造工場と醤油蔵は、明治期の醤油造りの規模と技術の高さを示す貴重な建造物です。
金大醤油: 創業1927年。醤油蔵と諸味蔵は、近代的な醤油造りの設備と技術の進歩を物語っています。
盛田（旧マルキン忠勇）: 複数の醤油蔵からなる醤油蔵群は、かつて盛況だった醤油産業の規模を物語っています。
* 左海醤油工業: 創業1857年。醤油蔵と水圧式蓄量機小屋は、伝統的な醤油造りと近代的な技術が融合した様子を見せています。

これら以外にも、多くの醤油蔵や関連施設が国の登録有形文化財に登録されており、醤の郷全体が歴史的景観として保護されています。

観光とご当地グルメ

醤の郷は、歴史的建造物を見学するだけでなく、醤油を使ったご当地グルメを楽しむこともできます。「ひしお丼」など、醤油を存分に味わえる料理は、観光客に人気のメニューです。小豆島町商工会では、「醤の郷散策MAP」を無料で配布しており、観光客はこれを頼りに醤油蔵や周辺の観光スポットを巡ることができます。

アクセス

醤の郷へのアクセスは、小豆島内各地の港から小豆島オリーブバスを利用できます。土庄港、池田港、坂手港からバスが出ており、「馬木」または「丸金前」バス停下車です。

周辺観光地

醤の郷の周辺には、小豆島オリーブ公園など、他の観光スポットも多数あります。醤の郷を観光拠点として、小豆島の魅力を満喫することができます。

まとめ

醤の郷は、歴史と文化が息づく、小豆島を代表する観光地です。醤油蔵群と美しい街並み、そして醤油を使った美味しい料理は、訪れる人々に忘れられない思い出を届けてくれるでしょう。日本の醤油造りの歴史と文化に触れたい方は、ぜひ一度訪れてみてください。

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