里塚

里塚（さとづか）

札幌市清田区に位置する里塚は、その名称がかつての地域の特性を示しています。この地名は、古く札幌の中心部から約三里（約12キロメートル）の距離に位置し、その目印となる塚が存在したことに由来します。そのため、古い時代には「三里塚（さんりづか）」と呼ばれていました。隣接する里塚緑ヶ丘（さとづかみどりがおか）も、この里塚の一部として発展してきた地域です。地域を流れる河川としては、三里川が見られます。

地名の成り立ちと歴史

この地域の歴史は、地名の由来である「三里塚」と深く結びついています。開拓が始まった明治時代、札幌からの距離を示す塚がこの地に築かれ、これが「三里塚」という名の起源となりました。時代が下り、「三」の文字が取り除かれ、「里塚」と改称されました。しかし、この旧称は「札幌市立三里塚小学校」や「三里塚公園」といった形で、現在も一部の施設名に残されています。ちなみに、「三里塚神社」は美しが丘地区に区分されています。

地名の元となった塚自体は、一時的に失われてしまいましたが、2005年の三里塚小学校開校100周年を記念し、それに先立つ2004年に復元されました。ただし、復元された塚が位置するのは、現在の平岡地区内となっています。

地域開発の沿革

里塚の開拓は明治初期の1875年頃に始まりました。当時は大きな樹木が多く茂っていたことから、初期の主要な産業は木炭の製造でした。20世紀に入ると、1901年頃には畑作が地域に定着し、農業が主要な生業となっていきます。1905年には、後の三里塚小学校となる三里塚教育所が開設され、地域の教育の中心が誕生しました。1921年頃には、リンゴの栽培が特に盛んになり、農業生産の多様化が進みました。教育所は1933年に三里塚尋常小学校と改称され、地域の子どもたちの学び舎としての役割を強固にしました。そして、1944年に正式に「里塚」という地名が命名されました。しかし、その翌年の1945年頃には、地名の由来となった三里塚が消失してしまいました。

戦後、1965年には里塚霊園の造成が開始され、地域の景観に新たな要素が加わりました。1980年代に入ると、1982年頃に「里塚・真栄地区土地利用転換計画」が策定され、これを契機に大規模な宅地開発が進められます。この開発に伴い、1992年から1993年にかけて、開発された里塚の一部の番地が「美しが丘」として新たな地区に区分されました。さらに、1997年11月4日の清田区成立に伴い、里塚の残りの番地も再編され、「里塚緑ヶ丘」と「平岡公園東」に区分されることとなりました。

近年の出来事としては、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震において、1970年代後半に宅地造成された一部の地区（約2ヘクタール）で液状化現象による陥没被害が発生し、地域に大きな影響を与えました。

交通と主要施設

里塚地区には、交通網が整備されています。主要な幹線道路としては、国道36号、厚別東通、青葉平岡通、大曲通などが通っており、地域内外へのアクセスを支えています。公共交通機関としては、北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バス、北都交通が運行する路線バスが利用でき、特に新千歳空港への連絡バスも発着しています。

地区内には、札幌南徳洲会病院（里塚1-2）といった医療施設や、里塚わんぱく緑地（里塚1-4）、桂台なかよし公園（里塚4-3）などの公園があり、住民の生活を支えています。教育機関としては、歴史ある札幌市立三里塚小学校（里塚2-6）があります。また、札幌緑ヶ丘郵便局（里塚緑ヶ丘2）や、広大な里塚霊園（里塚）も地区内に位置しています。

かつての「三里塚」から「里塚」へと名称を変え、農業地帯から大規模な宅地開発を経て、里塚は歴史的な背景を持ちながらも、現代的な住宅地へとその姿を変えてきました。隣接する里塚緑ヶ丘と共に、札幌市清田区の一角を担う地域として、その歴史を積み重ねています。

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