ジェイ・アール北海道バス

ジェイ・アール北海道バス株式会社：北海道の公共交通を支える企業

ジェイ・アール北海道バス株式会社は、北海道旅客鉄道（JR北海道）の完全子会社として、北海道札幌市西区に本社を置くバス事業者です。札幌圏を主な営業エリアとし、路線バス、都市間高速バス、貸切バスの3事業を展開しています。JRバスグループの中でも、一般路線バスの保有台数が最も多く、北海道の公共交通において重要な位置を占めています。

事業内容

路線バス事業: 札幌市内を中心に、住宅地と都心部を結ぶ路線バスを多数運行しています。特に、札幌市郊外の手稲区や厚別区といった地域では、生活路線として重要な役割を果たしています。2003年には、札幌市営バスの琴似営業所を譲受しており、札幌市内のバス路線網においては、北海道中央バスに次ぐ規模を誇ります。一方で、採算性の低い地方路線については、地元の事業者へ順次譲渡するなど、事業の効率化にも取り組んでいます。

都市間高速バス事業: 札幌と他の都市を結ぶ高速バス路線も運行しています。代表的な路線としては、「高速おたる号」（札幌～小樽）、「高速あさひかわ号」（札幌～旭川）などがあり、北海道中央バスや道北バスなど他社との共同運行も行っています。「高速あさひかわ号」の一部便は、かつて予約制で座席を1名利用できるサービスを提供していました。また、過去には「高速流氷もんべつ号」「特急オホーツク号」「ポテトライナー」（札幌～帯広）といった路線も運行していました。これらの路線は、運行開始から現在に至るまで、様々なダイヤ改正や運行形態の変更を経てきました。

貸切バス事業: 各種団体旅行や企業の送迎など、多様なニーズに対応した貸切バス事業も展開しています。貸切バス車両は、JR北海道コンサドーレ札幌の選手送迎にも使用されており、チームカラーをデザインした専用車両も保有しています。貸切バス事業者安全性評価においては、3つ星に認定されています。

歴史

ジェイ・アール北海道バスは、国鉄分割民営化（1987年）に伴い、北海道旅客鉄道自動車事業部として発足しました。その後、2000年にJR北海道から分社化し、現在の社名となりました。

分社化後も、札幌市営バス路線の譲受や、他社との共同運行、路線の譲渡など、様々な変化を経て現在に至っています。近年では、営業所の統廃合や、新たな営業所の開設など、事業の効率化と地域ニーズへの対応を進めています。

その他事業

ジェイ・アール北海道バスは、バス事業以外にも、桑園自動車学校の運営なども行っています。また、多様な乗車券やICカードのサービスを提供し、利用者の利便性向上にも取り組んでいます。

車両

ジェイ・アール北海道バスの車両は、日野、いすゞ、三菱、UDトラックスの4メーカーから導入されており、路線バス、高速バス、貸切バスなど、様々なタイプの車両が運行されています。車両デザインは、国鉄バス時代からの伝統を受け継いだものから、JR北海道のコーポレートカラーを配したオリジナルデザインのものまで多様で、時代に合わせて変化してきました。

特に、かつて運行されていたボンネットバス「フロンティア号」は、その希少性から注目を集めていました。現在では、低床バスの導入も進められており、バリアフリーへの取り組みも積極的に行われています。

まとめ

ジェイ・アール北海道バスは、歴史と伝統を継承しながら、時代の変化に合わせて事業を進化させてきた企業です。札幌圏の公共交通の要として、今後も北海道の地域社会に貢献していくことが期待されます。

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