重富卓

重冨 卓（しげとみ たく）について

重冨卓は、1900年6月16日に山口県で生まれ、1979年2月17日に亡くなった昭和期の著名な農業指導者、実業家、政治家です。彼は衆議院議員としても知られ、多岐にわたる業績を残しました。

経歴

重冨は、1910年に出家しましたが、8年後の1918年に還俗しました。1920年には山口中学校を卒業し、続いて1925年に早稲田大学の政治経済学部を修了しました。その後、同年に農林省に入省し、農務局雇としてキャリアをスタートしました。さらに、1920年には一年志願兵として訓練を受け、1926年には除隊しています。

1927年には再度農林省に復帰し、同年12月には高等試験行政科試験に合格します。1930年からは東京府に出向し、農林主事補として働いた後、1937年には応召されて出征、その後1941年に除隊しました。1942年に再び出征し、1945年には陸軍主計大尉として除隊しました。

その後、重冨は山口県農業会の厚生経理部長に就任し、理事や副会長などを経て、農業改革に尽力しました。その功績は非常に大きく、戦後の農業復興にはなくてはならない存在でした。

政治家としての活動

1947年4月、第23回衆議院議員総選挙において山口県第2区から出馬し当選を果たします。彼は日本自由党の政調会において農林副委員長や民主自由党の畜産委員長、政務調査会副会長など、重要な役職を担いました。しかし、1949年に行われた第24回総選挙では落選し、衆議院議員としての任期は1期に留まりました。

その後、1948年に山口県農業会が解散したことで同会を退任。1949年からは食糧配給公団の山口県支局長に就任し、1952年に至るまで在任し続けました。この時期、彼の働きは食糧問題解決に寄与し、地域農業の発展にも貢献しました。

実業家としての活動

1953年に東京へ移住し、1954年には丸の内生活協同組合の副理事長に就任しました。さらに1958年には全国畜産農業協同組合連合会の常務理事となり、1961年には専務理事へ昇進。その後1968年には退任し、同年に共栄畜産の社長としての職務を開始しました。1970年までそのポジションにあり、随後は故郷に帰りました。

重冨卓は農業や食糧関連の政策形成に大きな影響を与えた人物であり、彼の功績は今も地域の農業界に色濃く残っています。1979年2月に亡くなった際、彼の遺体は山口大学医学部に献体され、後世への教育にも寄与されました。

書籍

彼に関する伝記としては、田中惇が編纂した『重冨卓をしのぶ』が挙げられます。重冨の生涯を通じた業績、志、そして彼が果たした役割について、さらに詳しく知ることができます。

参考文献

• - 衆議院事務局編『衆議院議員総選挙一覧 第23回』
• - 武藤安弘編『現代人物事典：趣味別 西日本版』
• - 議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑、河合塾、1990年
• - 日本官僚制総合事典1868-2000、東京大学出版会、2007年
• - 国政選挙総覧：1947-2016、日外アソシエーツ、2017年

このように重冨卓は多くの人々に希望を与え、また地域農業の発展に寄与した偉大な人物です。

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