重村一

重村 一 - 日本のテレビプロデューサー

重村 一（しげむら はじめ）は、1944年11月30日生まれの日本のテレビプロデューサーであり、実業家です。主にスカイパーフェクト・コミュニケーションズの代表取締役社長やニッポン放送の代表取締役会長を歴任し、日本のメディア界に多大な影響を与えてきました。

来歴・人物

神奈川県に生まれた重村は、早稲田大学の第一政治経済学部を卒業しました。在学中には「早大闘争」と呼ばれる激しい学生運動の時期に遭遇し、それにより戒告処分を受けました。重村はこの経験を踏まえ、1年間の休学を選択し、大宅壮一の大宅マスコミ塾の一期生として学びの場を得ました。この塾では後にマスコミで成功を収める能見正比古やばばこういちといった仲間と出会いました。

フジテレビ入社

重村は1968年、ドラマ制作を志向してフジテレビに入社しましたが、マスコミ塾での経験から報道局に配属されます。彼は、名物コーナー「露木レポート」の担当を受け持ちながら、全国で徹底的なリポートを行い、その後『ドキュメント日本人』など様々なドキュメンタリー制作に関わるようになりました。重村は30歳を過ぎた頃、報道業務からドラマ制作部門への異動を要望しますが、当時の方針により難航します。しかし、その熱意が伝わり、制作部門に配属されることとなりました。

編成部長・編成局長

1980年には報道局に一時戻りましたが、1987年には42歳で編成部長に就任し、1994年には編成局長に昇進します。彼の編成部長・局長としての任期は、戦争や震災、天皇の崩御といった非常事態に直面するものとなりました。重村は「アンチ・フジテレビ」の方針を掲げ、新たな番組編成を推進します。この中で、情報番組やドキュメンタリーに力を入れる一方、時代劇も復活させました。特に、彼が編成した『女ねずみ小僧』や『鬼平犯科帳』などはフジテレビの視聴率を支える重要な作品となりました。

スカイパーフェクト・コミュニケーションズ社長

1996年、重村はスカイパーフェクト・コミュニケーションズの社長に就任し、ペイテレビ市場の拡大に取り組みました。2003年には同社の社長に就任し、過去の経験を基に改革に尽力しました。彼は多様性を持った番組制作の重要性を認識し、若手を育成しながら革新を進めていきました。

ニッポン放送会長

2006年にはニッポン放送の会長に就任し、さまざまなメディアイニシアチブやイベントに取り組みました。特に「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」の実行委員長として、国際的な交流を促進する取り組みを行いました。

重村一は、テレビ業界において重要な役割を果たし続ける一方で、若手の発掘や新しい可能性を拓くことにも力を注いでいます。彼の業績は、今後の日本のメディアにおける指針として評価されています。

もう一度検索