重松通雄

重松通雄のプロフィールと経歴

重松通雄（しげまつ みちお）は、1916年9月16日に愛媛県で生まれ、1979年12月16日に他界したプロ野球選手である。彼は投手として悪名高い「鬼軍曹」として知られ、また日本初のアンダースロー投手とも称される存在であった。

幼少期と野球の始まり

重松は越智中学校を卒業後、広島県の呉海軍工廠電気部に籍を置き、同部においてエースとして活躍した。彼は地元の硬式野球部「オール呉」に選出され、数々の試合でその実力を証明した。1936年には新たに創設されたプロ野球に挑戦したものの、名古屋市の球団「セントラル・シティ」に偽名で登録し、数試合を投げることができたが、その後のトラブルのためその道は閉ざされてしまった。しかし、先輩の倉本信護の助言を受け、阪急軍に入団することに成功した。この時、三宅大輔監督からアンダースローに転向するよう指示を受ける。

プロ野球での活躍

重松は1939年に初めての二桁勝利を記録し、特に13勝を挙げたことが注目された。1941年には召集され、戦争に参加し、その後1942年に大洋軍で復帰を果たす。1944年には再度召集されるが、戦後の1947年に金星スターズで再び日本プロ野球の舞台に復帰する。

1950年には西日本パイレーツに所属し、その年限りで現役を引退した。引退後は、パイレーツと合併した西鉄ライオンズで二軍監督に就任し、その後一軍の投手コーチとしても勤めた。重松はその厳しい指導方針から「鬼軍曹」と称され、当時の選手たちから恐れられていた。

指導者としての重松

重松は1969年までコーチとして西鉄ライオンズに在籍した後、1970年から1976年までスカウトとして活動した。しかし、病気によりスカウトを辞めた後、地元福岡の中学野球チームのコーチとして若い選手の育成に尽力した。また、ソフトボールチームの監督兼投手としても貢献した。

重松はそのキャリアを通じて、アンダースローからはカーブやシュートを武器にした。また、彼の記録の中には1937年秋シーズンの防御率7.20があり、これは現在でも規定登板数を達成した選手の中ではワースト記録として残っている。1979年に亡くなると、翌年に優勝した中学野球チームが彼の遺影の前に優勝旗を供えたという感動的なエピソードが残されている。

生涯と影響

重松通雄はプロ野球におけるアンダースロー投手としての先駆者的存在であり、彼のスタイルや選手指導への情熱は多くの後進に影響を与えた。彼の戒名は「大通院球道覚真居士」であり、彼の野球への情熱と功績は今も多くの人々に語り継がれている。重松の生涯における空白の多い部分は、今後の研究を通じてさらに解明されることが期待される。

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