重臣会議

重臣会議の概説

重臣会議は、昭和の戦前から戦中にかけて設立され、日本の内閣総理大臣を選ぶ手続きや国家の重大な問題に関する意見を述べる場でした。この会議は天皇の諮問によって召集され、内大臣が主宰していました。構成員には、元老とされた内閣総理大臣経験者、枢密院議長、そして主宰者の内大臣が含まれていました。元老制度の最後の担い手であった西園寺公望の晩年から始まり、戦後の内大臣府廃止までは定期的に開催されました。

沿革

明治時代以降、日本の内閣総理大臣は元老によって選定されました。大正時代末期では、元老として西園寺公望が一人残っていました。元老は新たな人材を加えることは拒み、政界の混乱が進む中で西園寺が単独で後継を選ぶことが困難になりました。そこで、1933年に重臣制度が創設され、元老と総理大臣経験者、枢密院議長が協力し、後継者を選定する会議を開くようになりました。

事件が続いた二・二六事件の際には重臣会議は開かれず、阿部内閣成立まで休止されましたが、米内内閣成立後には意見聴取が行われ、再び会議が実施されました。1940年に西園寺が亡くなると、内大臣が重臣会議を招集する形になり、1945年までこの形式が継続されました。しかし、終戦直後の混乱期には、権限を持つ重臣会議は招集されず、形式的な会議のみで後継者が選ばれました。最終的に内大臣府が廃止され、重臣会議も終息を迎えました。

次期首相奏薦に伴う重臣会議の出席者

重臣会議では、首相の後継者を選出するために高名な重臣たちが参加しました。以下は、重臣会議での主要な奏薦例です：

• - 1934年7月：岡田啓介を奏薦（斎藤、清浦、若槻、他参加）
• - 1940年7月：近衛文麿を奏薦（若槻、岡田、広田、他参加）
• - 1941年7月/10月：近衛文麿、東条英機をそれぞれ奏薦（参加者同様）
• - 1944年7月：小磯国昭を奏薦（若槻、岡田、広田、近衛、他参加）
• - 1945年4月：鈴木貫太郎を奏薦（若槻、岡田、広田、他参加）

機能と役割

重臣会議の元々の制度では、過去に内閣総理大臣や枢密院議長を務めた者が重臣とされ、一定の礼遇を受けていましたが、陸軍出身の首相もおり、1940年には「首相経験者及び枢密院議長」に改正されました。そのため、重臣たちは政治的に重要な集団と見なされました。

また、歴史的事件の影響で重臣たちを誹謗する声もあり、天皇に対する諮問の一環として意見を述べることもありました。特に近衛文麿は上奏文を提出するなど、政治的見解を示していました。退陣の際には、議会に出席した首相は少数であり、政治的な状況から出席が難しい場合が多くありました。

重臣制度の消滅後も、岡田は戦後も天皇の裁判を回避するための活動に協力するなど、彼らの影響は残りました。重臣会議は日本の政治史において重要な役割を果たしてきた制度であり、その影響は現在も語り継がれています。

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