野々垣武志

野々垣 武志

奈良県桜井市出身、1971年7月8日生まれの元プロ野球選手（内野手）、野球指導者、そしてYouTuberとしても知られる人物です。現役時代は西武ライオンズ、広島東洋カープ、福岡ダイエーホークス、台湾の誠泰太陽でプレーしました。プロ入りから2000年までは野々垣 武志、2001年から2002年までは野々垣 武という登録名を使用しています。現在は日本電波制作社とマネジメント契約を結んでいます。

PL学園高校時代とプロ入り

野球の名門、PL学園高校に進学。この時期はまさに黄金期で、2学年上には立浪和義氏、片岡篤史氏、野村弘樹氏、橋本清氏といった後にプロで活躍する多くの逸材が揃い、1学年上には宮本慎也氏、1学年下には入来祐作氏、そして2学年下には坪井智哉氏がいました。このような才能あふれるチームメイトと共に白球を追いかけ、高校卒業後の1989年オフ、ドラフト外で西武ライオンズに入団し、プロ野球選手としての第一歩を踏み出しました。

プロ野球選手としてのキャリア

西武ライオンズに入団後、野々垣氏は内野手として期待されましたが、当時の層の厚いチームにおいて一軍での出場機会を得るには苦労が続きました。背番号64を背負い、支配下登録された1990年から1995年まで在籍しましたが、レギュラー定着は叶いませんでした。

転機が訪れたのは1995年オフのことです。河田雄祐氏との交換トレードにより、広島東洋カープへ移籍することになりました。広島では背番号37に変更。ここでは西武時代とは異なり、主に代打として重要な場面での起用が増え、その打撃センスを発揮する機会を得ました。特に印象的な記録として、2000年4月20日に広島市民球場で行われた中日ドラゴンズ戦で、当時中日のエース級投手であったメルビン・バンチ氏から放ったプロ初本塁打が挙げられます。インコース寄りの難しい球をレフトスタンドへ運んだ一打は、その高いバッティング能力を示すものでした。

広島で5年間プレーした後、2000年オフに金銭トレードで福岡ダイエーホークス（現在の福岡ソフトバンクホークス）へ移籍。背番号は53となりました。登録名を一時的に野々垣 武に変更するなど、新たな環境での活躍が期待されましたが、ダイエーでは思うような結果を残すことができず、2002年オフに球団から戦力外通告を受け、日本での現役生活に区切りをつけました。

日本を離れた後も野球への情熱は尽きず、2003年には活躍の場を台湾球界に求め、誠泰太陽に入団しました。台湾でも背番号53をつけ、登録名を野野垣 武に変更。シーズン序盤は持ち前の打撃力を活かし、クリーンアップの一角を担うなどチームに貢献しましたが、残念ながら怪我に見舞われ、シーズン途中で退団することになりました。

引退後の多彩な活動

プロ野球選手としての現役生活を終えた野々垣氏は、その後も野球界に深く関わり続けています。日本帰国後、PL学園高校の先輩にあたる清原和博氏の求めに応じ、個人マネージャー（秘書兼運転手）として氏を支えました。

また、同時期には同じくPL学園の先輩である桑田真澄氏が会長を務める少年野球チームでコーチを務めるなど、後進の指導にもあたっています。桑田氏が主宰する野球教室にも共に参加することがあり、少年野球の普及・振興に貢献しています。

さらに、女子野球の分野でも指導経験を積んでいます。2021年には、かつて所属した西武ライオンズが公認する女子硬式野球クラブチーム、埼玉西武ライオンズ・レディースのコーチを務め、女子選手たちの育成に携わりました。

そして、2022年4月からは、長野県にある佐久長聖高等学校に新設された女子野球部の初代監督に就任しました。創部間もないチームを率いる重責を担い、その指導力と情熱でチームを成長させています。弱冠創部3年目となる2024年には、春・夏と立て続けに全国大会でベスト8進出を果たすなど、早くもチームを全国レベルへと引き上げ、指導者として大きな成果を上げています。

野球関連の活動に加え、YouTubeチャンネルを開設し、YouTuberとしても積極的に情報を発信しています。野球解説や自身の経験談など、多岐にわたるコンテンツを提供しており、ファンとの交流を深めています。

選手として、そして指導者として、常に野球と向き合い、さらにYouTuberとして新たな分野にも挑戦するなど、野々垣武志氏はその多才なキャリアを通じて、野球界の内外で存在感を示し続けています。

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