野々村文宏

野々村文宏について

野々村文宏（ののむら ふみひろ、1961年 - ）は、日本の美術評論家及びメディア論の研究者であり、和光大学表現学部芸術学科の准教授として活躍しています。愛知県の出身であり、1980年代初頭には中森明夫や田口賢司と共に「新人類」として注目を浴びました。この時期、彼らの共著である週刊本『卒業 Kyon2に向かって』（朝日出版社）の発表は多くの話題を呼びました。

幼少期からの経歴

野々村の実家は元々瀬戸物の卸し業を営んでいましたが、彼自身は少年時代に小児喘息を患っており、その影響で高校を中退せざるを得ませんでした。音楽に対する情熱は強く、ソロ・ユニット「パーフェクト・マザー」として、阿木譲の自主制作レーベルである「ヴァニティ」からシングルのレコードをリリースしました。また、1979年には「Tolerance」というユニットで活動していた丹下順子と共に「アナザー・ヴォイス」を結成し、渋谷のニューウェーブ喫茶店「ナイロン100%」でライブを行いました。

編集者としてのキャリア

1980年に創刊されたニューウェーブ雑誌『HEAVEN』において、初代編集長であった高杉弾が脱退したのを受け、新たに編集長となった山崎春美のもとで副編集長を務めました。この雑誌での経験を通して、編集者の香山リカらとの出会いもありました。さらに、山崎のリーダーシップの下でバンド「TACO」のファーストアルバムにはナレーターとして参加しました。

コンピュータとゲームへの関心

少年時代からコンピュータに強い興味を持ち、1981年にはアスキー出版の別冊ログイン編集部に契約編集者として所属しました。この時期、ゲーム雑誌『ログイン』の編集者としても活躍し、筆名「雷門ビデ坊」を用いて「ビデオゲーム通信」などのコーナーを担当しました。さらに、彼はゲーム攻略本の同人誌「ゲームフリーク」を制作していた田尻智を発掘し起用したことでも知られています。また、当時はミニコミ誌「東京おとなくらぶ」の編集長であった遠藤諭をアスキーに紹介もしました。

フリーランスと教育

1984年からはフリーランスとして、ディジタルメディア、音楽、美術、建築など多岐にわたる評論活動を展開しました。特に1996年に任天堂から発売されたゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター赤・緑・青』のシナリオに関わったことは大きな業績の一つです。2000年からは和光大学表現文化学科で専任教員として教鞭を取るようになり、2007年には芸術学科の准教授に就任しました。

著書と翻訳

彼の著書には、1985年に発表された『新人類の主張』（駸々堂出版）があります。さらに、彼はノーム・チョムスキーの『知識人の責任』を清水知子、浅見克彦と共訳し、2006年に青弓社から出版しました。

外部リンク

野々村氏に関する詳細は、和光大学表現文化学科スタッフ紹介ページを参照してください。

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