野中俊彦

野中俊彦（のなか としひこ、1939年 - ）は、日本の著名な法学者であり、憲法を専門としています。法政大学と金沢大学の名誉教授であり、長年にわたり教育と研究に尽力しました。また、全国憲法研究会の代表を務めるなど、学会活動にも積極的に参加し、日本の憲法学の発展に大きく貢献しました。

人物

東京都出身の野中俊彦は、東京大学法学部を卒業後、法学研究の道に進みました。彼の最終講義の題目は「憲法学研究・断想」であり、長年の研究生活を総括するものでした。元旧司法試験第二次試験考査委員も務め、法曹界の人材育成にも貢献しました。また、憲法学者である小林直樹の門下として、その教えを受け継ぎました。

2005年10月まで全国憲法研究会の代表を務め、憲法研究の最前線で活躍しました。法政大学においては、法科大学院設置準備委員会の委員長として、法曹教育の改革にも尽力しました。これらの活動を通じて、法学界におけるリーダーシップを発揮しました。

略歴

1961年：東京大学法学部卒業。
1967年：金沢大学法文学部講師に就任し、教育者としてのキャリアをスタート。
1970年：金沢大学法文学部助教授に昇任。
1979年：金沢大学法学部教授に就任。
1980年：金沢大学法学部教授となり、1986年4月から1988年3月まで学部長を務めました。大学運営にも携わり、その手腕を発揮しました。
1990年：法政大学法学部教授に就任し、東京へと拠点を移しました。
2004年：法政大学大学院法務研究科教授に就任し、2004年4月から2005年3月まで研究科長を務め、大学院教育の発展に貢献しました。
2009年：法政大学を定年退職し、同大学の名誉教授となりました。

主要著書・編著

野中俊彦は、数多くの著作を通じて憲法学の発展に貢献しました。以下は、彼の主要な著書と編著です。

『憲法訴訟の原理と技術』（有斐閣、1995年）：憲法訴訟に関する理論と実践を詳細に解説した著書。
『憲法I・II（第5版）』（共著）（有斐閣、2012年）：憲法学の基本を体系的に解説した教科書。
『憲法判例集（第10版）』（共著）（有斐閣、2008年）：重要な憲法判例を網羅的に収録した判例集。
『ファンダメンタル憲法』（共著）（有斐閣、1994年）：憲法の基礎概念を分かりやすく解説した入門書。
* 『憲法の解釈I・II・III』（共著）（三省堂、1989年、1990年、1992年）：憲法解釈に関する詳細な研究書。

これらの著作は、法学研究者だけでなく、法曹関係者や学生にとっても重要な参考文献となっています。野中俊彦の業績は、日本の憲法学の発展に不可欠であり、彼の研究は、現在も多くの研究者に影響を与え続けています。

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