野口修

野口修: キックボクシングの開拓者

野口修（のぐち おさむ）は1934年1月24日に生まれ、2016年3月31日に亡くなった日本のボクシング・キックボクシング・芸能のプロモーターです。彼は東京都文京区出身で、明治高校および明治大学を卒業しました。彼の業績として、キックボクシングの創設者であり、また有名歌手五木ひろしを世に送り出したことが挙げられます。

幼少期とキャリアの始まり

野口修は1941年、父親の進が芸能興行を手掛けていた影響で、幼少期を上海で過ごしました。彼はその環境の中で多くの芸能人と触れ合い、彼自身もその世界に魅了されていきました。太平洋戦争後は日本に帰国し、大学を卒業した後、実家が運営する野口拳闘クラブのマネジャーとしてボクシング界に足を踏み入れました。1961年には父の死去に伴い、野口ジムの2代目オーナーとなりました。

しかし、資金調達のために合法的な手段を利用せず、外為法違反で逮捕されるという挫折を味わい、一時期ボクシング界から追放される事態となります。この出来事は彼の人生における大きな転機となりました。

キックボクシングの創設

1964年、タイで開催されたムエタイ vs 大山道場の対抗戦を企画したことがきっかけで、新たな格闘技として「キックボクシング」を生み出しました。1966年には日本キックボクシング協会を設立し、多くの才能ある選手を見いだし育てました。その中には「キックの鬼」として知られる沢村忠も含まれます。彼はまた、TVアニメ『キックの鬼』のオープニングテーマの作詞も手掛けました。

芸能界への進出

1970年、野口は友人の山口洋子の助言を受けて歌手三谷謙と契約し、同年彼が改名した五木ひろしは瞬く間に人気を誇るアーティストとなりました。彼のシングル「よこはま・たそがれ」は65万枚を売り上げ、五木は野口プロモーションのドル箱となりましたが、1979年には独立していきます。

海外での挑戦と波乱

1972年には、バンコクに「野口キックボクシング・ジム」を開設しますが、反日的な感情の高まりによってジムはわずか1週間で閉鎖を余儀なくされました。彼の発言や行動はタイ人のナショナリズムを刺激し、抗議行動を引き起こしました。結果、彼は日本に送還されることとなりました。

その後も1976年に世界キックボクシング協会（WKBA）を設立し、多くの名勝負をプロモートしました。これにより彼はボクシング界での存在感を再び高めることに成功しました。

逝去と影響

2016年5月9日、彼の死去が公に知られることとなりました。享年83歳でした。野口修の人生は、ボクシングやキックボクシング、さらには芸能界にまでまたがる多才な業績に彩られており、彼の影響力は今でも広く認識されています。彼の名は、格闘技と芸能の両方の世界で長く記憶されることでしょう。

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