大山道場

大山道場の概要と歴史

大山道場（おおやまどうじょう）は、空手の重要な流派であり、1964年に設立された日本空手道極真会の前身です。この道場は、大山倍達によって創立され、彼自身の武道への情熱が色濃く反映されています。初期の段階では、大山道場は主に剛柔流の流派に基づいて運営されていましたが、その後独立し、独自の道を歩むことになります。

指導の特色

大山道場の指導スタイルは、実戦に向けた強化を重視しており、特に組手において相手の体に直接突きや蹴りを当てる形で行われています。このアプローチは、他の流派に見られる寸止め組手とは明確に異なっており、競技としてのフルコンタクト空手とも異なる独自のスタイルを形成しています。また、手や肘による顔面への打撃や金的攻撃、さらには投げ技や関節技も認められています。このため、大山道場は総合空手の先駆者とも称されることがあります。

道場での訓練は多様であり、固定されたスタイルには縛られないため、まるで実戦の実験場であるかのような特徴を持っています。特に、他流派が行っていなかった基礎体力作りやウエイトトレーニングが本格的に取り入れられており、それが門下生の強化に寄与していました。この指導方針は、1969年に初めて開催されたオープントーナメント全日本空手道選手権大会においても引き継がれましたが、定期大会の開催に伴い、門下生はルールに従った試合を意識せざるを得なくなり、稽古内容に変化が生じていきました。

教えの担い手

大山道場が設立されてからしばらくの間、大山自身は修行に忙しく、初期の段階では新しく入門してくる生徒の指導をしていませんでした。その代わりとして、学習院大学の空手道部から松涛館流の安田英治が、また日本大学空手道部からは剛柔流の石橋雅史と南本一郎が、師範代として指導にあたりました。その後、剣道の有段者であった黒崎健時も入門し、師範代として活動するようになりました。

大山道場では、これまでに大山倍達、石橋雅史、南本一郎、安田英治の4人しか黒帯の資格を持つ者は存在しませんでした。しかし、1959年1[[2月6日]]、岡田博文がこの道場で修行し、初めて黒帯（初段）を受けることになります。これは極真会館の昇段登録簿にも初めて名前が載ることになり、重要な里程標となりました。

歴史的な出来事

大山道場の歴史は、以下のような出来事で彩られています。

• - 1954年5月：目白にある自宅の庭に「大山道場」の看板が掲示される。
• - 1956年6月：池袋にあるバレエスタジオに移転。
• - 1957年2月：剛柔会から独立し、日本空手道極真会大山道場として活動を開始。
• - 1958年7月：ハワイに初の海外支部が設立され、ボビー・ローが支部長に就任。
• - 1958年：国内初の支部道場が成増で設立され、黒崎健時が支部長を務める。
• - 1964年1月：大山道場の代表として黒崎、中村忠、藤平昭雄がタイに遠征し、ムエタイ選手と対戦。
• - 1964年6月：大山道場が財団法人極真奨学会の傘下となり、国際空手道連盟極真会館が設立される。

このように大山道場は、独自の指導理念と豊かな歴史を持つ空手道場として、今後も空手界において重要な役割を果たし続けることでしょう。

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