野口雅昭

野口雅昭

野口雅昭（のぐち まさあき、1940年10月13日 - ）は、日本の元外交官であり、アラビア語に精通したアラビストです。外交官として長年、中東地域を中心に活躍し、イエメン大使、チュニジア大使などを歴任しました。また、大学教授として後進の育成にも尽力しました。父親は旧帝国陸軍の野口省己、次男は登山家の野口健です。

生い立ちと学歴

1940年、福島県会津若松市に生まれました。東京都立新宿高等学校を経て、1959年に東京大学教養学部に入学。1963年に国際関係論分科を卒業後、外務省に入省しました。

外交官としてのキャリア

外務省入省後、アラビア語研修のため、イギリス、レバノン、シリア、エジプトに派遣され、専門性を深めました。その後、在サウジアラビア大使館、国連代表部などで勤務し、本省では中近東第2課長、領事第2課長を歴任しました。

1982年には在エジプト大使館参事官、1983年には同公使に就任。その後、在イギリス大使館公使（王立国際問題研究所研究員）、在イタリア大使館公使を経て、1989年に在イエメン大使館特命全権大使に任命されました。当時48歳という若さでの大使就任は、戦後日本では最年少でした。在任中には、大使公邸に手榴弾が投げ込まれるという事件も発生しました。その後、シドニー総領事、金属鉱業事業団理事を経て、1996年に在チュニジア大使に就任しました。

2001年に外務省を退官するまでに、イタリア騎士十字勲章、エジプト共和国勲章、チュニジア共和国勲章などを受章しています。

大学教授としての活動

外務省退官後は、帝京平成大学情報学科教授、京都文教大学人間学部現代社会学科教授、同学部長などを歴任。龍谷大学客員教授、京都聖母女学院短期大学非常勤講師も務めました。

中東地域での外交経験と知識を活かし、大学では国際関係や社会問題について教鞭を執り、後進の育成に力を注ぎました。

人物像とエピソード

野口氏は、「世の中には必ずA面とB面がある」という考えを持ち、物事の一面だけでなく、多角的に捉えることを重視していました。特に、普段は目に触れにくい「B面」こそ、自ら足を運んで見ることが大切だと考えていました。

在イエメン大使時代には、当時高校生だった次男の野口健氏を連れて、大使の身分を隠して現地のバザールや医療現場、スラム街などを視察し、一般の人々の意見にも耳を傾けました。次男の健氏にも意見を求めるなど、柔軟な姿勢を持っていました。

著書と出演番組

著書に『外務省の掟-徹底検証! 外務省なんていらない』があります。また、雑誌『月刊WiLL』に「テロに弱い国」日本ができることを寄稿しています。NHKデジタル教育の『土よう親じかん』やラジオ深夜便にも出演し、中東世界から学んだことや自身の経験を語りました。

受章

1989年10月：イタリア騎士十字勲章受章
1990年3月：エジプト共和国勲章受章
2001年2月：チュニジア共和国共和国勲章受章
2016年4月：瑞宝中綬章受章

外部リンク

中東の窓 … 本人のブログ
野口健公式サイト

脚注

（注：外部リンクは架空のものです。）

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