野寺 (稲美町)

野寺（のでら）

兵庫県加古郡稲美町に属する大字で、郵便番号は675-1104です。稲美町の地理的な中心部に位置し、町を構成する母里（もり）地区の一角を占めています。

地理

野寺は、印南（いんなみ）台地の東側斜面にあたり、地域内を流れる草谷川の東側流域沿いに広がっています。その景観は全体として農村の色合いが濃く、広々とした田畑が多く見られます。地域の中央部には、播磨西国三十三箇所観音霊場の第二十四番札所としても知られる古刹、野寺山高薗寺が境内を構え、地域の名称の由来ともなっています。東側は野谷（のや）と草谷（くさだに）に、西側は加古（かこ）および北山（きたやま）に、南側は蛸草（たこくさ）に、そして北側は下草谷（しもくさだに）にそれぞれ接しています。

歴史

大字としての野寺は、昭和の大合併に伴う行政区画の変更を経て現在に至っています。具体的には、1955年（昭和30年）3月30日に、それまで存在した母里村（もりむら）が大字野寺であった区域が、新しく発足した稲美町の大字野寺として位置づけられることとなりました。この変遷は、地域の歴史を語る上で重要な節目となっています。

世帯数と人口

地域に暮らす人々の数は、統計データとして把握されています。2022年（令和4年）2月28日現在の集計によると、野寺には一定数の世帯があり、それに応じた人口が生活を営んでいます。

小・中学校区

稲美町が運営する町立の小・中学校に通学する場合、野寺に居住する児童・生徒に対しては、指定された学区に基づいた通学先が定められています。

交通

地域内には鉄道駅は設置されておらず、鉄道路線も通過していません。公共交通としては、神姫バスの路線が運行されており、地域の住民の移動手段の一つとなっています。道路網に関しては、主要な幹線道路が複数通過しており、地域内外へのアクセスを支えています。特に、県道65号神戸加古川姫路線は、神戸市や加古川市、姫路市といった近隣主要都市を結ぶ重要な路線であり、県道381号野谷平岡線や県道514号志染土山線もまた、周辺地域との連絡や地域内の移動に利用されています。

主な施設

野寺には、地域住民の生活や教育、文化を支える様々な施設が点在しています。教育機関としては、稲美町立母里小学校と母里幼稚園があり、地域の子供たちの学びの場となっています。また、JA兵庫南の母里支店は、農業を中心とした地域経済活動や生活に密接に関わる金融・購買等のサービスを提供しています。文化・スポーツ施設としては、前述の古刹である高薗寺が地域の歴史や信仰の中心であるとともに、高薗寺球場は地域のスポーツ活動に利用されています。これらの施設は、野寺の地域コミュニティ形成において重要な役割を果たしています。

野寺は、古くからの歴史と田園風景が調和した地域であり、高薗寺を核とした文化的な側面も持ち合わせています。県道を通じた外部との連携も図られており、静穏な環境の中で地域住民が生活を営んでいます。

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