野尻邦基

野尻 邦基 (1843年 - 1910年)

野尻 邦基（のじり くにもと）は、幕末から明治にかけて活動した政治家であり、岡藩士として生まれた。1843年12月11日、豊後国（現在の大分県）竹田町で藩士・野尻雙馬の長男として誕生した。彼の幼名は長之助または半之允であった。

学問と職歴

邦基は、藩校である由学館や経武館で学び、文武に秀でた青年へと成長した。その後、長崎へ遊学し、さらに知識を深めていった。明治時代に入ると、彼は廃藩置県の流れに乗り、岡県において少属や大属を歴任していく。その後、大分県庁に出仕し、様々な役職を受け持つことになる。特に、中属、権大属、大属、兼任判事などの重要な地位を担い、大分の地域政治に貢献した。

大蔵省での活動

1886年、邦基は大蔵省に転籍し、主税官や佐賀県・高知県の書記官として働くことになる。これにより、彼の政治的な影響力はさらに強まり、広範な行政経験を積むこととなった。

政治活動

1901年7月には、朝倉親為の死去を受けて行われた衆議院の補欠選挙で当選し、衆議院議員としての道を歩み始めた。以降、彼は1904年の第9回総選挙でも当選し、衆議院議員を通算で2期務めることとなる。この間、彼は立憲政友会の発会準備委員や協議員、さらには豊国同志倶楽部の顧問としても活動し、日本の政治体制の確立に寄与した。

最後の年月

邦基は、1910年8月1日に東京府の自宅で脳溢血により亡くなった。彼の急逝は、多くの人々に衝撃を与え、後世においてもその業績が称えられることとなった。

家族

邦基の親族には、二女があり、彼女は国沢新兵衛の妻である国沢清であった。

参考文献

彼の生涯と業績に関する資料は多く存在し、人事興信所編の『人事興信録 第2版』、青野権右衛門編の『立憲政友会功労者追遠録』、そして衆議院・参議院の『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』などがある。特に大分県に関する文献は、邦基の影響力を理解する上で重要である。これらの資料を通じて、彼の政治的な貢献や地域への影響を学ぶことができる。

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