野島智司

野島智司：自然と遊び、そして家族の物語

野島智司氏は、1979年東京都生まれの作家であり、ネイチャーライターとして知られています。幼少期は、東京都田無市（現西東京市）で、玄米食を食べて育ちました。幼稚園に通わず、自宅で自由に遊ぶ日々を送っていたといいます。兄弟2人と、時に仲良く、時に喧嘩しながら、独特の子供時代を過ごしました。小学校には1年で通わなくなり、その後は19歳で大学進学するまで学校に通うことはありませんでした。この決断は家族との葛藤もあったようですが、両親は様々な場所に彼を連れていき、美術館にも通っていたといいます。

彼の教育は、家庭でのホームラーニングでした。大分県竹田市の山間部で暮らしながら、漫画家を目指し、自然の中で自由に遊び、学びました。大検に合格後、東京農業大学に進学、農学部を卒業。その後は北海道大学大学院で地球環境科学と教育学の修士号を取得、九州大学大学院人間環境学府博士後期課程に進学しましたが、中途退学しています。

大学院では社会教育学を専攻し、子どもの遊びに関する研究と実践に携わりました。2008年には、身近な自然をテーマにした個人プロジェクト「マイマイ計画」を立ち上げます。これは、福岡県糸島市の住宅地にあるアトリエを拠点とした、多様な遊びのプロジェクトです。近隣の子どもたちが集まり、独特のコミュニケーションが生まれる場「こうもりあそびば」を中心に、活動記録の発表、ワークショップ開催、素材開発など多岐に渡る活動を行っています。

野島氏の活動は、動物生態学、環境教育学、環境心理学など、複数の分野を横断する学際的なアプローチが特徴です。自然と人間の関わりについて、実践的な研究を続けています。「マイマイ計画」は、単なる遊びの場にとどまらず、自然と人間、そして地域社会の繋がりを探求する場となっています。

彼の活動は、書籍にも反映されています。『ヒトの見ている世界 蝶の見ている世界』、『カタツムリの謎』、『マイマイ計画ブック　かたつむり生活入門』など、自然への深い洞察と、ユニークな視点が光る作品を発表しています。

野島氏の家族もまた、興味深い経歴の持ち主です。父は声優の野島昭生氏、兄弟も声優として活躍しており、甥は俳優として活動しています。母親はナチュラリストで、野島氏の自然への関心は、家族環境からも影響を受けていると考えられます。兄弟3人はかつてコンピュータ雑誌『MSX・FAN』に投稿していた経験もあります。また、父親の強い意志により、家族で上京し、兄弟でそれぞれ異なる道を歩むこととなりました。

野島智司氏の物語は、自由な発想と、自然への深い愛情、そして家族との絆が織りなす、ユニークで感動的なものです。学校教育にとらわれず、独自の道を歩み、自然と遊び、そして人との繋がりを通して、独自の活動を展開し続ける彼の生き方は、現代社会に新たな視点を与えてくれるでしょう。彼の活動は、これからも自然と人間のより良い関係を築くためのヒントを与え続けてくれるに違いありません。

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