野望 (1977年のテレビドラマ)

テレビドラマ『野望』の概要

『野望』（やぼう）は、暗躍する企業の内情と登場人物たちの復讐劇が交錯するサスペンスメロドラマである。本作は1977年10月6日から1978年3月23日まで、テレビ朝日系列にて毎週木曜日の22時から放送された。全24話で構成され、原作は佐藤まさあきによる同名の劇画である。

ストーリーのあらすじ

物語は197X年、シンガポールに住む二人の主人公、氏家修と船山奈美が中心となって進展していく。彼らは日本から同じ内容の電文を受け取ったことをきっかけに、羽田空港で再会する。主人公たちの目的は異なりつつも、共通するのは矢島コンツェルンの暗部を知る野川という人物へ辿り着くことである。

氏家修は、10年前に矢島コンツェルンの関与によって家族を失い、自身は殺人の汚名を被り国外に逃げた過去を持つ。氏家の目的は復讐であり、彼は日本へ戻り、矢島商事の株主総会へ挑むが、その過程で警視庁から追われる身となる。一方、船山奈美は野川から助けられた過去を持ち、彼の支援もあり成功したビジネスウーマンとして成長した。しかし、氏家との出会いを通じて、彼女の心には複雑な感情が芽生え始める。

登場キャラクター

• - 氏家修（演：天知茂）: 矢島に家族を奪われた復讐者。シンガポールに娘を残し、日本に帰国。矢島商事の株主総会で激しい挑戦を繰り広げるが、敗北。変遷する自身の思いを抱え、野川の生存を知って希望を得る。

• - 船山奈美（演：三田佳子）: スーパーカーやセスナ機の操縦もこなす才女。復讐を抱える氏家に惹かれつつも、彼女も自身の過去と向き合うこととなる。恋愛と家族の絆の間で揺れ動く。

• - 矢島慶三（演：山形勲）: 矢島商事を一代で築いた実業家で、氏家から復讐を受ける存在。過去の殺人事件の疑惑に怯えつつ、自身の地位を守ろうとする。

その他、多彩なキャラクターたちが物語を彩り、各々の背景や思いが展開されていく。情報屋や警察官といった脇役も、ストーリーに緊張感と深みを加える役割を果たしている。

放送と制作

本作は1977年から1978年まで放送され、その後も再放送やDVD化が行われた。2024年には初めてのDVDが発売予定である。また、2025年には東映チャンネルで再放送が行われる予定で、多くのファンに再会の機会を提供する。プロデューサーの片岡政義や大久保忠幸の協力のもと、多くのスタッフが集結して制作された。

主題歌

主題歌「流れの雲に」は、川内康範の作詞、渡久地政信の作曲により、主演の天知茂が歌い上げた。この楽曲は、ドラマのテーマ性とも深く結びついており、視聴者の心に印象を残した。

まとめ

『野望』は、復讐と愛、自分自身の過去と向き合うことをテーマにしたドラマであり、視聴者に深い印象を与える物語である。各キャラクターの心理描写や緊迫したサスペンスを通じて、観る者を引き込む力を持っている。これから再放送を通じて新たな視聴者にもその魅力が届くことだろう。

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