野村儀平

野村儀平（のむら ぎへい）

野村儀平は、明治27年12月21日に生まれ、平成4年7月13日に没した、日本の内務官僚、教育者、そして政治家です。彼は、激動の時代に岐阜県知事や諫早市長といった要職を歴任し、日本の復興と発展に大きく貢献しました。

経歴

長崎県出身の野村儀平は、大正3年3月に長崎県師範学校本科一部を卒業後、佐世保市琴平尋常小学校で教鞭を執り始めました。教育者としての道を歩む中で、彼は更なる知識と見識を求めて上京し、大正12年3月に東京高等師範学校文科一部を卒業。その後、広島県立広島第一中学校教諭として再び教壇に立ちました。

しかし、野村の才能は教育の分野にとどまりませんでした。大正13年11月、高等試験行政科試験に合格し、翌年には内務省に入省。石川県視学を皮切りに、北海道庁警視、香川県書記官・警察部長、福岡県書記官・警察部長、福島県内政部長、新潟県部長など、要職を歴任しました。これらの職務を通して、彼は地方行政における豊富な経験と卓越した手腕を発揮しました。

昭和20年10月、野村儀平は岐阜県知事に就任。終戦直後の混乱期において、彼は県民の生活安定と戦後復興に尽力しました。しかし、昭和21年2月、公職追放となり、惜しまれながらも知事を退任しました。

公職追放解除後、野村は再び政治の世界へ身を投じます。昭和27年、諫早市長に初当選し、以後3期12年にわたり市長を務めました。特に、昭和32年の諫早豪雨からの復興は、彼の市長としての最大の功績の一つとして語り継がれています。彼は、被災者の救済、生活再建、そして都市の復興に全力を注ぎ、市民からの絶大な信頼を得ました。

昭和49年、野村儀平は諫早市の名誉市民となりました。これは、彼の長年にわたる市政への貢献と、市民からの深い敬愛の証と言えるでしょう。

野村儀平は、教育者として、官僚として、そして政治家として、常に社会のために尽力し、日本の発展に貢献した偉大な人物でした。彼の功績は、後世に語り継がれることでしょう。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
『現代物故者事典 1991～1993』日外アソシエーツ株式会社、1994年。
内閣「野村儀平ヲ石川県視学ニ任用シ初任判任官俸給制限外支給ノ件」大正14年。国立公文書館 請求番号：本館-2A-014-00・纂01723100

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