野村又三郎

野村又三郎家の系譜と悠久の伝統

野村又三郎（のむら またさぶろう）は、和泉流狂言方能楽師の名跡であり、この名を継承することで、代々の能楽師たちは日本の伝統文化を受け継いできました。この家系は、特に舞台芸術において重要な役割を果たしており、その歴史は長く、深いものです。

九世から始まる名跡の継承

最初の名跡である九世野村又三郎信喜の後、十世野村又三郎信茂（天保7年〈1836年9月28日〉 - 明治40年〈1907年〉12月3日）が家督を継ぎます。信茂は非常に有名で、京都出身の彼は安政5年（1858年）に家元を継ぎ、江戸時代には尾張徳川藩のお抱えとなりました。しかし明治時代に入ると、大阪での活動を中心に新たな道を歩みました。

新たな世代の誕生

次いで、十一世野村又三郎信英（元治2年3月15日〈1865年4月10日〉 - 昭和20年〈1945年〉1月15日）が登場します。彼もまた京都出身であり、明治3年（1870年）には初舞台を踏みました。明治40年（1907年）に野村又三郎を襲名し、以降東京での活動も行いました。このように、世代を超えて続く能楽の伝承は、家族の絆と使命感から成り立っているのです。

十二世の功績

十二世としては、野村又三郎（本名：野村信廣）が特に知られています。彼は1921年3月31日に生まれ、2007年12月12日に逝去しました。名古屋市出身の信廣は、4歳で舞台デビューを果たし、1950年に十二世を襲名しました。彼の業績は非常に顕著であり、1982年には文化庁芸術祭優秀賞、1985年には名古屋市芸術特賞、2002年度には名古屋演劇ペンクラブ年間賞を受賞。そして2004年には松尾芸能賞新人賞も受賞し、重要無形文化財の総合指定保持者、つまり人間国宝としての地位も確立しました。

信廣は伝統芸能の温故知新に貢献し、舞台芸術の高度な技術と深い表現力を後世に伝えた重要な人物です。2007年には脳腫瘍により名古屋市内の病院で逝去し、その享年は86歳でした。

野村又三郎家の未来

十四世となる若き狂言師の存在に期待が寄せられており、野村又三郎家の名跡はこれからも日本の伝統文化を支える重要な要素であり続けるでしょう。能楽の伝承は時代を超え、これからも多くの人々に受け継がれていくことでしょう。

参考情報と外部リンク

さらに詳しい情報については、野村又三郎家公式ホームページをご覧ください。

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