野村左兵衛

野村左兵衛

野村左兵衛（のむら さへえ）は、文化12年（1815年）に生まれ、慶応3年5月19日（1867年6月21日）に没した、幕末の会津藩士です。別名として直臣とも呼ばれました。

生涯

文化12年（1815年）、400石取りの会津藩士・野村直樹の次男として生を受けました。幼少の頃から聡明で知られ、成長すると長沼流兵学を修め、その才能から軍事奉行として藩に仕えることになります。

安政6年（1859年）には、藩主・松平容保から江戸屋敷公用人に任じられ、藩政において重要な役割を担うようになります。文久2年（1862年）には、松平容保の京都守護職就任に賛成したことがきっかけで、容保からの信任をより一層得て、禁門の変後には京都会津藩筆頭公用人に昇進しました。

左兵衛は、温厚篤実な人柄で和歌を嗜む教養人であったため、江戸幕府や公家からの受けが非常に良く、「先生」という敬称で呼ばれ、人々から厚い人望を集めました。公家や諸藩との交渉においては、その手腕を遺憾なく発揮し、会津藩の立場を有利に進めることに貢献しました。これらの功績から加増を受け、禄高は550石にまで増加しました。また、公用方への幅広い人材登用と権威拡張にも尽力しました。

慶応3年（1867年）5月19日、京都にて病死。享年53歳でした。墓所は京都市東山区にある黒谷会津墓地にあります。

辞世の句は以下の通りです。

のりならす　駒のひづめの　香るまで　並木の桜　春風の吹く

演じた俳優

野村左兵衛は、その生涯を題材としたテレビドラマで、以下の俳優によって演じられています。

竹脇無我　『白虎隊 (1986年のテレビドラマ)』 （日本テレビテレビドラマ、1986年） - ただし、本作では左兵衛の読みは「さひょうえ」となっています。また、蛤御門の変の最終局面である天王山での戦いで戦死するという脚色が加えられています。
田村高廣　『新選組 (テレビドラマ)』 - 本作では「佐兵衛」と表記されています。鳥羽・伏見の戦いの直前、新選組の帰属を巡って幕閣や会津藩上層部と対立し、大坂城内にて自害するという設定になっています。

関連項目

* 野村氏

野村左兵衛は、幕末の激動期において、会津藩のために奔走した人物として、その名が残されています。彼の功績は、会津藩の歴史を語る上で欠かすことのできないものとなっています。

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