野洲栗東バイパス

国道8号 野洲栗東バイパス：滋賀県東部の交通渋滞対策

概要

滋賀県野洲市小篠原と栗東市手原を結ぶ、国道8号のバイパス道路である野洲栗東バイパスは、東西方向の交通網を担う重要な路線です。古くから中山道として栄え、現在も近畿と北陸を繋ぐ交通の大動脈であり、名神高速道路栗東ICへのアクセス道路としての役割も担う国道8号。しかし、その交通量は計画容量を大きく上回り、慢性的な渋滞や交通事故の多発が大きな社会問題となっていました。周辺道路への車の流入も増加し、地域住民の生活環境にも悪影響を及ぼしていました。これらの問題解決のため、野洲栗東バイパス整備事業が計画されました。

計画・建設の経緯

野洲栗東バイパス事業は1982年度に事業化されました。しかし、当初の計画ルートをめぐっては、環境への影響などを懸念する住民からの反対運動も発生。その後、国土交通省、滋賀県、関係自治体による協議が長期に渡り続けられました。ルート変更や圃場整備など様々な調整を経て、2000年に都市計画が決定。その後も用地取得や設計、工事と、段階を経て進められました。建設にあたっては、地元住民への説明会や見学会なども開催され、理解促進に努められました。しかし、用地取得やアスベスト処理といった問題で、工事は当初計画よりも遅延しています。近年は、事業費の大幅な増加も課題となっています。

道路諸元と計画

全長4.7km、4車線（暫定2[[車線]]供用予定）のバイパス道路として計画されており、設計速度は80km/hです。道路幅員は40.0m（橋梁部：21.75m）と計画されています。当初は2022年度の供用開始を目指していましたが、現在は2025年秋頃の暫定2[[車線]]での供用開始を目指して工事は進められています。計画交通量は、当初33,200台/日と見込まれていましたが、現在は35,600台/日に上方修正されています。事業費も当初約290億円と見込まれていましたが、大幅に増加し、現在では約650億円に上っています。

周辺道路との接続

野洲栗東バイパスは、滋賀県道504号小島野洲線、滋賀県道11号守山栗東線、滋賀県道145号片岡栗東線、そして名神高速道路栗東ICなどに接続する予定です。国道8号の現道と接続することで、交通渋滞の緩和に大きく貢献すると期待されています。

今後の展望

野洲栗東バイパスは、滋賀県東部の交通渋滞対策として極めて重要なプロジェクトです。長年の計画と建設を経て、完成が近づいていますが、事業費増加やアスベスト処理問題など、克服すべき課題も残されています。早期完成による地域社会への貢献が期待されると同時に、更なる円滑な事業推進が求められています。今後の進捗状況に注目が集まっています。

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