北

北（きた）

北は、地表に対する方位の一つで、北極点の方向を指します。この方位は天の北極を地面に垂直に延ばした線と交わるものであり、南北は絶対的な位置関係を示します。

真北

真北（しんほく）は、地軸の北極が指す方向です。この方位は、他の北の概念と区別するために用いられます。真北は正確に地球の極点を示していますが、日常生活で使用する磁北やグリッド北とは少し異なる感覚を持っています。

磁北

磁北（じほく）は、方位磁石が指し示す「北」で、地磁気の影響を反映したものです。磁北は真北とは異なり、その位置は地域や時間によって変動します。地球の形状や地磁気の影響で、磁北と真北の間には常にわずかなずれが存在し、このずれを「偏差」または「偏角」と呼びます。日本では、磁北は真北よりも西に約5度から10度ずれていることが多いです。船舶や航空機においては、この磁北を基準に方向を測定することが一般的です。

さらに、船内の鉄素材の影響を受ける磁気子午線と羅針儀との間に差異が生じる場合があり、これを「自差」と言います。この差異は、真北と羅針儀が指す北との絡みをもたらします。

グリッド北

地図では通常、北が上を向いていますが、これは使用される地図投影法によって異なる場合もあります。特に小縮尺の地図では、中心経線を除いては真北を忠実に再現できないことが多いです。特定の地図では、真北と上方向が2度以上ずれていることもあり、その際に使用されるのが「グリッド北」です。グリッド北は地図上で上向きを示し、地図の作成方法によって影響を受けます。

文化における北

北という方位は、文化的にもさまざまな意味を持っています。たとえば、北を向いて寝ることを「北枕」と言い、縁起が悪いとされています。この信仰の背景には、釈迦の死にまつわる伝説があります。また、北は地図上で基準とされることが多く、時刻や角度においても北は特別な意義を持っています。

北に関連する神話や伝説では、北の空を支配するのは玄武とされ、特に寒冷を象徴しています。

南北問題

さらに、北半球と南半球の経済的な格差を指す「南北問題」にも関連があります。北半球では豊かな国々が集中し、一方で南半球には貧しい国々が多いという現実があります。

地理的な区分

特に日本においては、北日本は東北地方や北海道を指すことが一般的です。一部の地域では、数世代前の文化的背景から北陸地方が含まれています。

その他の用語と俗称

また、北という用語は、地名や接頭辞としても広く使われています。「北浦和」や「北広島町」のように、地理的に北に位置する場所を示すために用いられます。特に近年では、北朝鮮や北ベトナムといった地域を指す指標としても知られ、国際的な議論においては重要な意味を持つことが多いです。

このように、北という方位は、地理的・文化的に多様な意味を持ち、日常生活や学術研究においても重要な役割を果たしています。

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