野澤正充

野澤 正充（のざわ まさみち）は、1960年12月24日生まれの日本の法学者であり、現在は弁護士としても活動しています。専門とする分野は民法、とりわけ契約法およびフランス民法です。立教大学にて法学博士の学位を取得し、長年にわたり同大学で教鞭を執りました。

東京都に生まれた野澤氏は、立教高等学校を経て立教大学法学部法学科を卒業しました。その後、同大学大学院法学研究科へと進み、淡路剛久氏の指導を受けながら学びを深めました。1985年には旧司法試験に合格しています。1988年に大学院修士課程を修了し法学修士の学位を取得、1991年に博士後期課程を単位取得退学しました。この間、立教大学法学部助手として研究者のキャリアをスタートさせました。

1993年、立教大学法学部専任講師に就任。同年には、「契約当事者の地位の移転」と題する論文により立教大学から博士（法学）の学位を授与されました。その後、1995年には助教授、2002年には教授へと昇任しました。2004年からは立教大学大学院法務研究科教授も兼任し、後進の育成にも力を注ぎました。大学における要職として、2012年には大学院法務研究科委員長、2018年には立教大学副総長、2019年には立教学院常務理事兼事業理事（企画・教学担当）を務めるなど、大学運営にも深く関与しました。

研究活動においては、民法の中でも特に契約法の分野で顕著な業績を上げています。フランス民法に関する造詣も深く、1996年にはパリ第2大学の客員研究員としてフランス法研究に従事しました。

学外での活動も多岐にわたります。国家公務員試験や不動産鑑定士試験、司法試験の試験委員を歴任したほか、東京都の消費者被害救済委員会委員や消費生活対策審議会会長代理・会長を務め、消費者の権利保護に貢献しました。また、日本学術会議の連携会員および会員に選出され、学術の振興にも関与しました。2007年には最高裁判所の契約監視委員会委員長を務めるなど、法実務の観点からも重要な役割を果たしています。

2021年には弁護士登録を行い、松田綜合法律事務所に入所。法学者としての深い知見を生かし、現在は弁護士としても活動の幅を広げています。

主な著作には以下のようなものがあります。

『債務引受・契約上の地位の移転』
『契約譲渡の研究』
『契約法』
『事務管理・不当利得・不法行為』
* 『民法学と消費者法学の軌跡』

これらの著作は、契約法をはじめとする民法の重要分野における野澤氏の研究成果を示すものであり、多くの研究者や実務家に参照されています。法学者として教育・研究に貢献するとともに、多様な公職や弁護士としての活動を通じて、日本の法制度の発展に寄与しています。

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