野田英二郎

野田 英二郎の経歴と活動

野田英二郎（のだ えいじろう、1927年生まれ）は、日本の元外交官として広範な経験を持つ人物です。彼のキャリアは、1944年に都立四中を卒業するところから始まりました。その後、1944年には一高に入学し、1950年に東京大学法学部を卒業して外務省に入省しました。野田氏は外務省での研修として1950年から1951年にかけてミネソタ大学にて英語を学び、以降の外交官としてのキャリアを築きました。

彼の外交官としての経歴は、多彩な国での勤務によって特徴づけられます。1951年から1953年には条約局第三課で働き、その後、ワシントンD.C.やメキシコシティ、香港、モスクワなどで様々な役職を歴任しました。特に1961年から1963年にはモスクワでの二等書記官として、また1966年から1968年にはアジア局北東アジア課長を務めました。これらの任期は、野田氏に外交官としての洞察力を培う機会を与えました。

特に71年から73年にはプラハ、77年から79年にかけては香港、79年から81年にはベトナム大使、81年から83年にはペルー大使を務めました。これらの国々での任務で、彼は日本とそれぞれの国との関係構築に貢献しました。1987年から1990年にはインド大使（兼ブータン大使）として任にあたり、1990年に退官しました。

また、外交官退官後も、野田氏は国際基督教大学の理事、日印協会顧問などの役職を歴任し、公共の場での影響力を保ち続けました。さらに、財団法人日中友好会館の理事長や副会長として、日本と中国の友好関係の構築にも意欲的に取り組みました。2000年からは国際基督教大学の理事を務め、2002年以降は日中友好会館の顧問として活動しています。

野田氏の活動の中で特に注目されるのは、2000年から2001年にかけて文部科学省教科用図書検定調査審議会の委員を務めていた期間です。この際、特定の教科書をネオナチの思想と同一視し、即座に不合格にすべきだと主張したことで問題が発生し、結果的に解任される事態となりました。この出来事は、教科書検定に外務省の関与が排除される原因ともなりました。

彼はさらに、日本労働党の機関紙に寄稿するなど、思想的な活動にも力を入れています。野田氏はまた、著書や翻訳書も出版しており、1999年に出版した『海外からみた日本』や、1993年には『インドでの日本式経営』の翻訳に携わりました。

野田英二郎は、その多岐にわたる経歴と活動を通じて、日本の外交と国際関係に大きな影響を与えてきた人物であり、その功績は今なお評価されています。彼の経験や考え方は、今後の外交官や国際関係に関心のある方々にとって、大いに参考となるでしょう。

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