野間光辰

野間光辰：近世日本文学の権威

野間光辰（のま こうしん）は、1909年11月7日に大阪府に生まれ、1987年4月30日に逝去した日本の国文学者です。号は「般庵」であり、主に京都大学で名誉[[教授]]として活躍しました。彼の専門は近世日本文学で、特に井原西鶴の研究においては第一人者とされています。

学歴と経歴

野間は旧制浪速高等学校を経て、1933年に京都帝国大学の国文学科を卒業しました。在学中は藤井乙男に師事し、その後の学問の基礎を築きました。大学卒業後は1949年に京都大学の助[[教授]]に就任し、1951年には教授に昇進します。1973年には定年退官を迎え、その後名誉[[教授]]として学問に寄与し、さらに皇學館大学の教授として1983年まで続けました。

研究業績

野間の学術的な功績には、近世日本文学の多くの研究や著作があります。1974年には藤本箕山の『色道大鏡』を刊行し、また、井原西鶴や近松門左衛門、曲亭馬琴といった作家の研究でも著作を残しました。1984年には『刪補 西鶴年譜考證』で読売文学賞（研究・翻訳賞）を受賞し、実証的な学問の姿勢が評価されました。日本近世文学会の創設にも関与し、守随憲治や暉峻康隆とともに学界の発展に寄与しました。

教え方と人柄

彼の授業は厳格で知られ、「鬼の野間」と呼ばれる一方で、晩年には「仏の野間」とも評されました。彼の授業スタイルには独特の風格があり、生涯を通じて羽織はかま姿で教壇に立ち続けました。その姿勢は学生たちに強い印象を与えたといいます。

受賞歴

1981年には勲二等瑞宝章を受章し、1987年には正四位へ叙位されるなど、彼の学問に対する貢献が公式に認められました。

家族

野間光辰の家庭には文化人が多く、彼の娘は人形作家の夢童由里子、弟は地理学者の野間三郎、そして甥にはフジテレビのアナウンサー野間脩平がいます。このように、彼の家族もそれぞれの分野で重要な役割を果たしています。

主な著書

野間は多くの著書を残しており、代表作には『西鶴新攷』（1948年）、『西鶴年譜考証』（1952年）、『洛中独歩抄』（1967年）、『高山彦九郎 京都日記』（1974年、新版2020年）、『西鶴新新攷』（1981年）、『初期浮世草子年表・近世遊女評判記年表』（1984年）、『近世芸苑譜』（1985年）、『近世作家伝攷』（1985年）などがあります。また、編纂作業にも多く従事し、『日本思想大系60 近世色道論』（1976年）や『随筆百花苑』（全15巻）など、学術の充実に寄与しました。

結論

野間光辰は、日本の近世文学に多大な影響を与えた学者であり、その業績は今なお多くの研究者に引き継がれています。彼の厳格な指導と独自の研究スタイルは、後進の学者たちに深い影響を与え続けるでしょう。

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