釐王 (周)

釐王（きおう）は、中国の春秋時代に周王朝の王として在位した人物です。彼の詳しい生年は不明ですが、紀元前677年に亡くなったとされています。姓は姫、諱は胡斉と伝えられています。釐王は、周の荘王の息子として生まれました。しかし、父である荘王からは特別な寵愛を受けることはなく、異母弟である王子頽（姫頽）との間には、対立関係があったとされています。

紀元前682年、荘王がこの世を去ると、釐王はその後を継いで周王として即位しました。釐王の治世は、従来の文武の制度を大きく変革したことで知られています。彼は、黒と黄を基調とした華麗な装飾を好み、宮殿を広大に拡張しました。また、贅を凝らした輿や馬を愛用し、その豪華な生活ぶりは、当時から批判の対象となっていたようです。

特に、儒家の祖である孔子は、釐王の贅沢な振る舞いを厳しく非難したと伝えられています。この逸話は、後の時代の儒教の思想にも影響を与え、為政者の在り方に対する重要な教訓として語り継がれています。

釐王は、政治においても重要な決断を下しています。紀元前678年には、虢公を派遣して曲沃の武公に策命し、彼を晋侯に封じました。この出来事は、周王朝の権威が地方の諸侯にも影響力を持っていたことを示す事例として、歴史的に重要な意味を持っています。

釐王は、紀元前677年にこの世を去りました。彼の死後、息子の姫閬（恵王）が王位を継承しました。釐王の治世は、周王朝の権威が徐々に衰退していく中で、その内実が大きく変化していった時代であったと言えるでしょう。

彼の行った文武制度の変更や宮室の拡張などは、その後の周王朝の歴史に大きな影響を与えたと考えられます。また、孔子からの批判は、為政者の在り方に対する重要な問いを投げかけ、後世の政治思想に大きな影響を与えることとなりました。

このように、釐王は春秋時代の周王朝において、重要な役割を果たした人物であり、その生涯と業績は、中国史において深く記憶されています。

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