金井之恭

金井 之恭（かない ゆきやす）

金井之恭は、1833年9月18日に上野国佐位郡島村で生まれました。彼の父は画家であり、また勤皇家として知られました。金井家は新田氏の支族である岩松氏の直系とされています。幼少期から彼は文学に親しみ、特に書道においてその才能を発揮しました。

経歴と官僚としての活躍

1867年、彼は新田義貞の子孫にあたる新田満次郎を支持し、倒幕を目指して行動を起こしましたが、その計画が発覚し投獄されることになりました。その後、1868年に東京府市政局に加わり、1869年には太政官に少史として任命されました。1874年には権少内史を経て、1882年に内閣大書記官に就任し、1888年には元老院議官として活動しました。

彼のキャリアは順調に進んでいましたが、1890年10月20日に元老院が廃止され、彼は非職となりました。しかし、彼は錦鶏間祗候としての役職を与えられ、その後も貴族院の勅選議員として活動を続けました。彼の晩年は浜松で過ごし、1907年5月13日にこの地で亡くなりました。彼の墓所は青山霊園にあります。

書家としての業績

金井之恭は書道の分野でも顕著な業績を残しました。彼は初め中沢雪城に学び、後に貫名菘翁の書風に深く影響を受けました。明治期の書道界では数少ない巨匠として知られ、日本書道会や書道奨励会などの重要な団体のリーダーを務めました。特に明治9年4月には、日下部鳴鶴と共に明治天皇を前に席書を行ったことが知られています。

彼は大久保利通の清への渡航に随行しており、政治と書道、両方において重要な人物でした。

栄典と業績

金井之恭の業績には、数多くの栄典や勲章が含まれています。1874年には従六位を授与され、1886年には正五位に昇進、1894年には正四位を取得しました。また、1887年には勲四等旭日小綬章を受章し、1889年には大日本帝国憲法発布記念章及び勲三等瑞宝章を賜りました。

石碑と著作

彼の書の影響は、全国に150基以上の石碑として残されています。特に、岩手県の高野長英誕生の地の碑や岡山県新見市の山田方谷遺蹟碑などが有名です。著作もあり、『高山操志』などが彼の思想や書道に対する情熱を伝えています。

参考文献

金井之恭に関する情報は、様々な文献に記されており、特に書道の歴史や彼の業績を詳しく知るためには、専門書や辞典を参照することが推奨されます。

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