金井宣茂

金井宣茂（かない のりしげ）

1976年12月5日生まれ、東京都大田区出身のJAXA宇宙飛行士、医師、元海上自衛官です。幼少期から冒険家を志し、医師の道へ進んだ後、宇宙飛行士という新たな夢を追いかけました。

人物像

金井氏は、用心深い性格で知られていますが、弓道、合気道、居合道といった武道で心身を鍛錬しており、愛読書は宮本武蔵の『五輪書』です。また、日本人で初めて眼鏡をかけて選ばれた宇宙飛行士としても知られています。

略歴

医官時代

金井氏は、千葉県で育ち、2002年3月に防衛医科大学校医学科を卒業後、海上自衛隊に入隊しました。外科医として、潜水医学を専門とし、潜水艦乗組員の健康や精神状態について研究を行っていました。2005年にはアメリカ海軍の潜水医学研究施設に留学した際、潜水医学専門医が宇宙飛行士になったことを知り、宇宙飛行士を志すようになりました。

宇宙飛行士選抜後

2009年2月、JAXAの宇宙飛行士選抜試験に参加し、最終選考まで進みました。大西卓哉氏、油井亀美也氏が宇宙飛行士訓練生に選ばれた際、金井氏は選抜史上初の「第1補欠」として選定されました。NHKの取材では、最終試験で目立った動きはなかったものの、全ての課題において高い水準で安定した結果を残していたと評価されています。また、知的で冷静、協調性のある優しい人柄とも評されています。

その後、日本の宇宙飛行士がISSへ長期滞在する機会が増えることが見込まれ、同年9月に追加採用されました。海上自衛官を退官し、JAXAに入社後、アメリカに渡っていた大西氏と油井氏に追いつくべく訓練を開始しました。2011年7月に基礎訓練を修了し、JAXA宇宙飛行士として認定されました。医師から宇宙飛行士に転身したのは、向井千秋氏、古川聡氏に続き3人目であり、油井氏に続く2人目の自衛隊出身者です。

2015年8月26日、JAXAは金井氏をISS第54次/55次長期滞在搭乗員に任命することを発表しました。2017年8月にはJAXA職員の女性との婚約を公式Twitterで発表し、同年12月17日にはソユーズ宇宙船でISSへ出発、6ヶ月間の長期滞在を開始しました。滞在中には、加齢研究や新薬設計のための実験など、様々な学術研究を行う計画でした。

2018年1月には、無重力下で身長が9cm伸びたとTwitterで報告し話題となりましたが、その後の再計測で2cmの伸びに訂正されています。この件からも、宇宙環境が人体に与える影響について、貴重なデータが得られました。

年譜

1985年3月：大田区立大森第三小学校卒業
1989年3月：市川市立稲荷木小学校卒業
1992年3月：東邦大学付属東邦中学校卒業
1995年3月：東邦大学付属東邦高等学校卒業
2002年3月：防衛医科大学校卒業
2002年4月：海上自衛隊入隊
2009年9月：海上自衛隊退官、JAXA入社
2011年7月：ISS搭乗宇宙飛行士候補者基礎訓練修了、宇宙飛行士に認定
2017年12月：国際宇宙ステーションに第54次/55次要員として長期滞在
2018年：帰還

脚注

注釈

（なし）

出典

（なし）

参考文献

大鐘良一、小原健右『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』光文社、2010年
宇宙航空研究開発機構（JAXA）『金井宣茂宇宙飛行士長期滞在プレスキット』2017年

関連項目

宇宙航空研究開発機構 (JAXA)

外部リンク

JAXA公式プロフィール
金井宣茂公式ブログ
金井宣茂公式X(旧Twitter)


金井宣茂氏は、その多才な経歴と、困難を乗り越えて宇宙飛行士になった経験から、多くの人々に勇気と感動を与えています。今後の活躍にも目が離せません。

もう一度検索