油井亀美也

油井亀美也（ゆい きみや）



プロフィール


油井亀美也は、1970年1月30日生まれの日本の宇宙飛行士であり、元航空自衛官です。長野県南佐久郡川上村出身。

来歴


長野県野沢北高等学校を卒業後、1992年3月に防衛大学校理工学専攻を卒業。在学中は儀仗隊に所属していました。卒業後、航空自衛隊に入隊し、F-15戦闘機のパイロットとして活躍しました。また、テストパイロットとしても飛行任務に従事しています。航空自衛隊幹部学校指揮幕僚課程を修了後、航空幕僚監部防衛課に勤務しました。

2009年2月、宇宙航空研究開発機構（JAXA）の第31期宇宙飛行士訓練生に選抜され、同年3月に航空自衛隊を退職（二等空佐）。自衛官出身としては初の宇宙飛行士訓練生となりました。

2011年7月、すべての基礎訓練を終え、JAXA宇宙飛行士として認定されました。2012年6月には、フロリダ州の海底で行われたNASAの極限環境ミッション運用訓練（NEEMO16）に参加しました。同年10月には、国際宇宙ステーション（ISS）第44次/第45次長期滞在員に任命され、2015年6月頃にソユーズ宇宙船で打ち上げられ、約6ヶ月間滞在する予定となりました。

2015年5月7日、油井宇宙飛行士は打ち上げに向けた最終試験に合格しました。しかし、同年4月28日にプログレス補給船（59P）で制御不能となる事故が発生し、ソユーズ宇宙船と一部共通の部品が使われていたため、原因究明のために打ち上げが延期されました。

2015年6月11日、ロシア連邦宇宙局は、ソユーズ宇宙船の打ち上げが同年7月23日に決定したと発表。同日、予定通りバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、約6時間後にISSとのドッキングに成功しました。同年12月まで日本の実験棟「きぼう」で科学実験やステーションの運用に携わり、141日と16時間の宇宙滞在を経て、12月11日にソユーズTMA-17Mでカザフスタンに帰還しました。

2016年3月、佐久市内の高校出身という縁から、佐久市子ども未来館の名誉館長に就任しました。

人物


幼少期から化石探しや理科の実験を楽しみ、自然科学に親しんでいました。特に天文学に興味を持ち、宇宙飛行士は当時からの憧れでした。宇宙飛行士を志すようになったきっかけは、航空自衛隊でのパイロット訓練中に見たアメリカ映画『ライトスタッフ』で、同じように厳しい訓練を耐え抜いたテストパイロットが宇宙飛行士を目指す姿に感銘を受けたことでした。

2014年4月12日、アメリカでアマチュア無線技士の試験に合格し、同月23日にはFCCからアマチュア局「KG5BPH」のコールサインが発給されました。

ISS滞在中には、専用装置で人工栽培されたレタスを試食し、宇宙飛行士がISSで栽培された野菜を食べる初の事例となりました。故郷である川上村のレタス農家で育った油井宇宙飛行士は、その味に感激したと述べています。既婚者であり、3人の子供がいます。地上にいる家族との最初の交信では、宇宙での感想だけでなく、家族への思いやりや優しさが伝わる内容でした。

油井宇宙飛行士が参加した2015年の第44次/第45次長期滞在ミッションのロゴは、名前の「亀美也」から連想される「亀」をモチーフにしたデザインとなりました。JAXAによると、この「亀」は油井宇宙飛行士のこつこつと努力を重ねる性格を表しているとのことです。

宇宙飛行士としての活動


油井宇宙飛行士は、国際宇宙ステーションでの長期滞在ミッションにおいて、数々の実験やステーションの運用に携わりました。特に、宇宙空間での野菜栽培の成功は、今後の宇宙探査における食料問題解決への大きな一歩となりました。

関連情報



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