金光宗高

金光宗高：備前石山城主、宇喜多氏に翻弄された武将

金光宗高（かなみつ むねたか）は、戦国時代の武将であり、宇喜多氏の家臣として知られています。通称は與（与）次郎。備前守または佐渡守とも呼ばれました。能勢頼吉の弟または実子であるという説があり、法名は友讃。備前国石山城（後の岡山城）の城主でした。

通説：宇喜多氏との関わりと最期

『備前軍記』によれば、宗高は金光備前の養子となり家督を継いだとされています。当初は養父に従い松田氏に属していましたが、永禄7年（1564年）頃に松田氏と宇喜多氏が和睦。その後、浦上氏に付き従い備中国へ出陣する動きを見せたため、三村氏に城を攻められました。兵力で劣る宗高はやむなく三村氏に降伏し、その指揮下に入ります。

しかし、永禄10年（1567年）の明善寺合戦で三村氏が敗れると、宗高は宇喜多氏の居城である沼城に出仕し、宇喜多氏の家臣となりました。

元亀元年（1570年）、かねてから備前国を領有し、岡山の地に城下町を建設したいという野望を抱いていた宇喜多直家は、宗高に毛利氏と内通しているという濡れ衣を着せます。弁明も許されず、宗高は子供たち（金光文右衛門、金光太郎右衛門）に所領を与えることを条件に石山城を明け渡すと一筆したため、切腹したと伝えられています。

『岡山市史 人物編』によれば、直家の碁の相手が宗高に手討ちにされたことが、切腹に至る直接的なきっかけとして紹介されています。谷口澄夫や小和田哲男は、宗高の死を宇喜多直家による「謀殺」と表現しています。

宗高は信仰心が篤く、保護していた金光山岡山寺（当時は現在の岡山城二の丸に存在）に比叡山から高僧を招いたほどであったと言われています。

異説：岡山城炎上に関する記述

直家に仕えたという岡与三左衛門（-1581）の孫・多兵衛が寛永二十一年（1644）に提出した奉公書には、穝所信濃守（経卿）を暗殺した与三左衛門らが、家来に命じて岡山城に忍び入らせ放火し、落城させたと記述されています。

また、『上月文書』には永禄十年（1567年）八月、宇喜多直家が旭川を越えて「金光要害（岡山城）」を攻撃している記録も残っています。

これらの異説は、宗高と岡山城を巡る歴史に、様々な側面があることを示唆しています。

まとめ

金光宗高は、宇喜多氏の台頭期に翻弄された武将の一人と言えるでしょう。石山城（岡山城）を巡る宇喜多氏との関係は、彼の生涯を大きく左右しました。信仰心の篤い人物であったという一面も持ち合わせていたようです。彼の死は、宇喜多氏の勢力拡大の過程における犠牲であったのか、あるいは別の要因があったのか、今もなお議論の余地が残されています。

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