金刃憲人

金刃 憲人（かねと のりひと）

金刃憲人は、1984年4月10日生まれの元プロ野球選手で、主に投手として活躍しました。兵庫県尼崎市出身で、在日韓国人三世であり、大学在学中に日本への帰化を果たしました。幼少期から野球に親しみ、小学校1年生で入団した軟式野球チーム「園和北フレンズ」を皮切りに、数々のチームで成長していきました。

経歴

プロ入り前

金刃は尼崎市立園田中学校を経て市立尼崎高校へ進み、2年生の冬には全日本台湾遠征メンバーに選ばれ、MVPを獲得。他校との対戦でも圧倒的な投球を見せ、特に3年時には兵庫大会で完封勝利を収めるなど注目の選手とまでなりました。卒業後、関西学生野球連盟の立命館大学に進学し、ここでもまた素晴らしい成績を残しました。特に、大学野球の世界でノーヒットノーランを達成したことでも知られています。

巨人時代

2006年のNPBドラフトで読売ジャイアンツから指名を受け、入団。初年度の2007年は新人ながら開幕から先発ローテーションに入ります。途中、ケガに悩まされながらも、前半戦では7勝を挙げ、「先発左腕投手三本柱」との評価も受けました。しかし、疲労による故障で後半戦は勝利を挙げられず、新人王の受賞は逃しました。

続く2008年は苦しい年になるも、イースタン・リーグでは印象的な成績を残し、2009年には中継ぎとして活躍。2010年には左の中継ぎとして期待されましたが、思うような結果を残せずに終わりました。その後の2011年には、4年ぶりに先発へ復帰し、2007年以来の勝利を手にします。

楽天時代

2012年にはトレードで東北楽天ゴールデンイーグルスに移籍。移籍初年度から、星野監督の指導によりサイドスローに転向し、見事な復活を果たしました。2013年シーズンでは39試合に登板し、防御率1.85を記録、楽天の初優勝に貢献。以降も安定した成績を残しましたが、2017年には調子を崩し、10月に戦力外通告を受けます。

現役引退後

引退後は楽天のチームスタッフとして活動し、選手育成に関わる役割を果たしています。2018年からはチーム戦略室に所属し、現在は指導者としても活動を続けています。具体的には、仙台を拠点とする野球塾や高校の女子硬式野球部のコーチも務め、若い選手たちの育成に力を入れています。

選手としての特徴

金刃は特に移籍後のサイドスローへの転向が大きな転機となりました。投球の幅を広げるための努力を続けた結果、復活を遂げた彼はその後も痛みに悩まされましたが、自身の経験を通じて新しい世代の選手たちへの指導に情熱を注いでいます。「自分にとって1度死んだようなものだった」と語る彼の言葉には、その歩みの中での葛藤や挑戦が垣間見えます。金刃の活躍とその後の指導者人生は、多くの人たちに影響を与えていることでしょう。

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