金化郡

金化郡の概要

金化郡（キムファぐん、キムァぐん）は、朝鮮民主主義人民共和国の江原道に属し、軍事境界線に接している地域です。本項では、金化郡の地理、歴史、行政区画について詳しく解説します。

地理

金化郡は朝鮮戦争によって分断され、郡中心部である金化邑のほとんどは、現在大韓民国側の江原特別自治道の鉄原郡に位置しています。北は洗浦郡、東は昌道郡、西は平康郡と接しています。また、郡内には1邑（キムァウプ）、1労働者区、13里を管轄しています。

行政区画

金化郡の行政区画は以下の通りです。1邑は金化邑（キムァウプ）であり、労働者区は鶴芳労働者区（ハクパンノドンジャグ）、さらには以下の13の里があります：九峯里（クボンニ）、堂峴里（タンヒョンニ）、龍峴里（リョンヒョンニ）、法首里（ポプスリ）、上板里（サンパンニ）、新創里（シンチャンニ）、新豊里（シンプンニ）、漁湖里（オホリ）、遠南里（ウォンナムニ）、遠東里（ウォンドンニ）、遠北里（ウォンブンニ）、昌道里（チャンドリ）、初西里（チョソリ）です。

歴史

金化郡の前近代的な歴史として、高句麗時代にはこの地域には夫如郡と母城郡という二つの郡が存在していました。統一新羅時代には富平郡と益城郡に改称され、更に高麗時代になると富平郡は金化郡に、益城郡は金城郡に改名されました。この地は朝鮮王朝茶時代の江原道に属していました。

近代の歴史では、1895年に旧暦の閏5月1日をもって春川府金化郡と金城郡という新しい区割りが行われ、1896年には江原道に組み込まれました。1914年4月には金化郡が再設置され、金城郡が編入されました。その後、1945年8月15日に金化郡はソ連軍の管理下に置かれ、当時は1邑11面がありました。

朝鮮戦争の時期には、金化邑・近南面および近北面・近東面など、金化郡の一部が南側に占領され、1952年に金化郡は一度廃止され、昌道郡に編入されました。しかし、1954年には金城里などをもとに金化郡が再設置されます。

現在の状況と南北の金化郡

韓国政府は、1952年の統廃合以降の北朝鮮による行政区画の変更を承認しておらず、1945年の時点での行政区画が凍結されています。そのため、韓国側の金化郡が再建されたのは、1954年10月21日以降のことです。金化邑・近北面・近東面などの地域が韓国によって管理されていましたが、1963年にはこれらも鉄原郡に編入され、韓国側の金化郡は消滅しました。

北朝鮮側においては、金化郡は現在も存在し続けており、名誉職の郡守や面長が任命されているとされています。かつての金化郡の一部は無人地域となっているため、そこに住む人々は金化邑や西面などに集中しているのが現状です。

もう一度検索