金吉旭

金吉旭の人生と原敕晁拉致事件

金吉旭（キム・キルウク）は、1928年頃に生まれ、2018年3月13日に亡くなった大阪朝鮮初級学校の元校長であり、1980年の原敕晁拉致事件の実行犯の一人として知られています。彼は北朝鮮工作員の辛光洙と繋がり、その活動に深く関与することになりました。日本政府は長らく金吉旭を国際手配していましたが、2023年10月に彼が数年前に死亡したと報じられました。

辛光洙事件の背景と経緯

金吉旭が辛光洙と出会ったのは1976年のことです。この出会いをきっかけに、彼は北朝鮮工作員としての活動を始めました。1977年に彼は民団に偽装転向し、その後北朝鮮に入国して朝鮮労働党に入党することが認められました。教育を受けた後、彼は辛光洙の後任として再び活動を開始しました。

1980年には、在日朝鮮人の原敕晁が辛光洙らにだまされ、宮崎県青島海岸に連れて行かれます。原は当時43歳で、中華料理店「宝海楼」で働いていました。彼の周囲の特徴が辛光洙の指示にマッチしていたため、ターゲットに選ばれました。原の拉致は、金吉旭、辛光洙、そして他の共犯者たちによって遂行されました。

拉致の実行

1980年6月、原は「貿易会社」への面接という名目で、金吉旭、辛光洙らに連れ出されました。原にとっては何の疑いも持たずに行動していたため、彼らの意図を理解することはありませんでした。飲酒した原は浜辺へと誘導され、その後拉致されることになりました。

拉致後、原は北朝鮮の南浦連絡所に送られ、一度も日本に戻ることはありませんでした。金吉旭はその後、韓国籍を取得し、1980年から1985年にかけて何度も韓国に渡航しました。そこで対南の工作拠点を築くことに力を注いだのです。

取材とその後

辛光洙が1985年に逮捕された後、金吉旭は済州島に移り住みました。この時期、彼は朝日放送の記者から取材を受け、自身の行為を認める一方で号泣する場面もありました。しかし、その後も彼は多くの取材を拒否しました。

彼の妻は、夫が事件を思い出すと精神的に不安定になると訴え、事件からの逃避を願っている様子が報じられました。

死亡と国際手配の解除

2023年10月、日本政府は金吉旭が過去に死亡したとの情報を韓国政府から受け取ったと報じられました。日本の警視庁は金吉旭の逮捕状を更新し続けていましたが、彼の死亡により国際手配が解除されました。金吉旭の死亡確認は2018年3月13日であるとされ、これは国際手配された11人のうち、初めて死亡が確認された例です。

朝鮮学校の問題

金吉旭が教職にあった朝鮮学校は、過去に様々な犯罪に関与していたとされています。日本では、朝鮮学校の無償化に対する反対の声が上がっており、金吉旭の行為はその背景に影響を与えていると見られています。

金吉旭の人生は、拉致事件という暗い歴史に繋がっており、彼自身の死によってその一幕が幕を閉じることになりました。

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