金城真吉

金城眞吉（きんじょう しんきち）は、1944年10月16日に沖縄県で生まれ、2017年11月16日に73歳で生涯を閉じました。彼はアマチュアボクシングの指導者として、その名を広く知られています。

金城は、那覇市立首里中学校、沖縄県立南部農林高等学校、そして日本大学を卒業。学生時代はボクシング部に所属し、フェザー級の選手として活躍しました。大学卒業後は、那覇市消防本部に地方公務員として勤務する傍ら、妻の清子と共にボクシング指導者の道を歩み始めます。

夫婦で運営した興南高校ボクシング部とウインナーボクシング教室は、数々の名選手を輩出しました。特に、翁長吾央や嘉陽宗嗣など、多くの全日本高校チャンピオン、国民体育大会、高校選抜優勝者を育てたことで知られています。また、興南高校の生徒だけでなく、沖縄水産高校の浜田剛史や新垣諭、南部農林高校の平仲信明・信敏兄弟など、他校の選手も指導しました。

金城が最も手を焼いた生徒の一人に、後のピューマ渡久地こと渡久地隆人がいます。渡久地は破天荒な性格でしたが、金城は彼の類稀な強打をはじめとする才能を見抜き、日大への推薦入学を後押ししました。渡久地の才能を見抜く洞察力は、他の選手に対しても同様に発揮され、多くの選手の成長を支えました。

1997年には、その功績が認められ沖縄タイムス賞体育賞を受賞。また、日本大学出身者が日本ボクシング連盟で大きな影響力を持つ中、金城も沖縄アマチュアボクシング界の有力者として知られていました。教え子の一人である仲間達也は、2024年に日本ボクシング連盟の会長に就任しています。さらに、興南高校出身の具志堅用高や横浜高校出身の大橋秀行（元日本プロボクシング協会会長）も金城を慕い、有望な選手のスカウトのために金城を訪ねていました。

具志堅用高は、金城の指導を「昼は監督が怖くて、夜は下宿先の銭湯の三男である上原勝栄さんが怖い。もう余裕がないんですよ」と、当時の厳しさを振り返っています。しかし、その厳しさの中にも、選手への深い愛情と期待が込められていました。

2011年からは、東洋大学ボクシング部の非常勤監督を務め、卒業後も職員兼コーチとして在籍していた村田諒太をロンドンオリンピックミドル級金メダルへと導きました。その後、総監督として、チーム全体の指導にも携わりました。また、具志堅用高の愛弟子である比嘉大吾も、高校時代に沖縄代表の総監督として金城の指導を受けています。

2014年には、長年の功績が認められ瑞宝単光章を受章。しかし、その3年後の2017年11月16日、肺がんのため、那覇市内の病院で73歳で亡くなりました。

金城眞吉は、その生涯をボクシングに捧げ、数多くの名選手を育成しただけでなく、アマチュアボクシング界全体の発展に大きく貢献しました。彼の功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

関連項目:

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