金子岩三

金子 岩三（かねこ いわぞう）

金子岩三（1907年2月20日 - 1986年12月27日）は、戦後日本の政治家であり、科学技術庁長官および農林水産大臣として名を残した。彼は九州・長崎県の出身で、特に水産業に関する政策改善に尽力し、自由民主党内では水産族議員として広く認知されている。

彼は長崎県北松浦郡生月村（現・平戸市）で、旅館経営者の家に生まれ、10歳の時に養子として金子家に入った。その後、家業に従事しながら地域の政治活動にも関わるようになった。1942年には生月村議会議員に選出され、1947年には長崎県議会議員として初当選。1955年には同議会の議長に就任した。

1958年、彼は長崎県知事選に出馬し、佐藤勝也に敗れるも、同年の衆議院議員総選挙にて初当選を果たす。その後、彼は衆議院議員として9回連続当選を達成し、宏池会という派閥に所属した。彼の政治活動は主に水産業に焦点を当てており、1959年には李承晩ラインの問題に対して民間自衛船を手配し、日本漁船の保護に取り組む姿勢が評価された。

1978年には第1次大平内閣にて科学技術庁長官に任命され、在任中はつくば科学万博の実現に尽力した。これにより、日本の科学技術の振興と国際的な地位向上に貢献した。また、彼は原子力船むつの修理問題にも関与し、地元の政財界との調整を行った。

1982年には第1次中曽根内閣で農林水産大臣に就任。農林水産省内では、長らく議論が続いていた諫早湾干拓事業に関して、全廃を目指す意向を持っていたものの、内部での猛反発により、最終的には事業の縮小を余儀なくされる。

彼の政治キャリアは、多くの挑戦を伴うものであり、特に自身の意見を推進するための調整力が求められる局面が多かった。1983年には政治の第一線を退き、息子の金子原二郎に地盤を引き継がせた。

1986年12月27日、心不全により79歳で亡くなった金子岩三。彼の政治家としての功績や水産業に対する貢献は、今なお多くの人々に影響を与え続けている。

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