宏池会

宏池会の概要

宏池会（こうちかい）は、自由民主党の中に存在する派閥であり、1957年6月に池田勇人を中心に設立されました。この派閥は、自由党の流れを汲む保守本流であり、政策的には伝統的にハト派として知られています。自民党の各派閥が離合集散を繰り返す中で、宏池会は比較的一貫した基盤を保ち続け、歴史的には名門派閥としての地位を築いてきました。しかし、2023年12月7日に岸田文雄会長が派閥を離脱し、2024年1月23日には解散の決定が下されました。とはいえ、解散手続きそのものは未だ進行中です。

歴史的背景

宏池会は池田勇人が創設した当初から、官僚出身の議員が多く在籍しており、政策知識に関しては強みを持っています。池田勇人のもとからは、代々大平正芳、鈴木善幸、宮澤喜一、岸田文雄といった内閣総理大臣や自民党総裁が輩出され、多くの政治家がこの派閥から成長しました。また、野党時代にも河野洋平や谷垣禎一といった重要人物がこの派閥に所属していたことから、宏池会は自民党内での重要な影響力を確立していました。

しかし、古くからの党派的な対立や主導権争いも存在し、派閥の成り立ちから本派閥内でも派閥分裂が発生することもありました。特に1993年には、自民党が野党となる契機となった主導権争いがあり、その後も分派や合流が繰り返されました。現在では、宏池会は志公会（麻生派）や有隣会（谷垣グループ）と分かれている状態です。

政策的アプローチ

宏池会はその政策において、日米関係を重視しつつもリベラル寄りの立場を取ることが特徴とされています。彼らは以下の基本理念に沿った政策を掲げています。

• - 先の大戦に対する国策の誤りを反省すること。
• - 言論や表現、学問、信仰の自由を基本的に守る姿勢。
• - 日本国憲法を尊重すること。
• - 経済発展を優先しつつ、軽武装を志向すること。
• - 他者の価値観に敬意を表し、寛容を重視する姿勢。
• - 国家の独立性に強い関心を寄せること。

名称の由来

「宏池会」という名前は、後漢の学者・馬融の言葉から名付けられました。この言葉には、高光の船着き場で一息つき、広い池に臨むという意味合いがあります。また、池田の「池」の字や、広島を指す「宏」との関係もあると言われています。

現状

2023年末時点で、宏池会は岸田文雄の派閥離脱を受け、解散に向けた動きがありますが、公式な手続きは進んでいません。党内の動向を注視しつつ、今後の展開に注目が集まりそうです。これまでの歴史を経てもなお、宏池会は自民党の中における重要な政策集団としての役割を果たしてきましたが、今後はどのように変化していくのかが疑問視されています。

もう一度検索